働き方改革:オフィスの音響調整

オフィスの音環境に満足していますか?

最近、テレワーク、リモートワークが増えて実感されている方も多いと思いますが、自宅の方がより集中でき、仕事の効率が上がるという人は多いのではないでしょうか? そして、これは仕事場に溢れている「ノイズ」が原因となっており、その「ノイズ」が集中力を下げ、仕事の効率を落としているということをご存知でしょうか。

人の耳は自分で意識的に選んだ音を集中的に聞き、他の音(ノイズ)の音量を脳内で下げるという処理を行なっており、これを「カクテルパーティー効果」といいます。試しに一度、社内の音をマイクで収録してみてください。(収録には、全帯域を無指向=180°で収録できるマイクを使ってみてください) 電話の音、自分が直接関係しない同僚の仕事上の会話、キーボードを叩く音、空調の音、などなど、、、皆がどれだけ気をつけていても、人が集まって仕事をする以上、そこには、必ず「音」が発生ていることに気づくと思います。そして、マイクを使って仕事場を録音してみてみると、脳内でのフィルター処理がかかっていない ”すっぴん” の「音」を聞くことができますので、結果として、普段自分がどれだけ必要としていない音=ノイズに囲まれているかが一目(聴)瞭然になり、あまりにも様々な音が、自分が認識していたより大きな音で存在していたかに気づき驚くと思います。そして、逆説的に考えると、この様々な「ノイズ」を自動的に脳内で気にならないようにフィルター処理していた、人間の知覚の素晴らしさに気づくと思います。

脳の行なっているフィルター処理は、実は大変複雑な処理で、この処理を瞬時に行うために、自分の気づかないところで脳は非常に複雑なタスクを処理し続けているのです。したがって、1日の終わりには、脳はぐったりと疲れてしまっています。多くの場合、この疲れは「ストレス」として表現されます。もちろん、社会生活には音によるストレス以外にもたくさんのストレスがあり、それらは、音響調整アイテムを使っても取り除くことができませんが、少なくとも、音響調整アイテムを使えば、随分と音由来のストレスを緩和させることができるのです。

このブログでは、どのように仕事場の「音」環境を改善できるのかをご紹介したいと思います。

 

どれだけの時間を仕事場で過ごしていますか?

1日8時間労働と考え、週に5日働いている人の場合、週に40時間、1ヶ月でおおよそ160時間を仕事場で過ごしていることになります。現代の多くの社会人は、睡眠時間と同等、またはそれよりも長い時間を仕事場で過ごしているのです。それほど長い時間を過ごす場所ですので、当然仕事場の環境を整えることは、経営者にとってとても大切な事案になります。睡眠の質を向上させるために、ベッドを変えたり枕を変えたりするように、仕事場の”音”環境も、比較的簡単に改善することができます。一度に全ての”音”環境を改善できない場合は、特に困っているところから順番に少しずつ改善してみてはいかがでしょうか。

 

仕事場の ”音” 環境を改善するメリット

仕事場の音響を改善するとこんなメリットがあります。

 

メンタルヘルス効果

メンタルヘルスの健全さが仕事や人生に大きな影響を与えることは、当然の事実です。そして、仕事環境にも、最適な音楽・環境音などを、適切なボリュームで流すことにより、メンタルヘルスの向上が期待できます。これに関しては、様々な学者が様々な研究を行なっておりますので「なんとなくそんな気がする」というレベルではなく、科学的に検証されている結果なのです。メンタルヘルスが改善すると、心が前向きに意欲的になり、仕事のパフォーマンスがアップします。従業員の心身が安定し生産性が上がれば、会社の業績にも必ず良い結果がもたらされることが大いに期待できます。

 

マスキング効果

マスキング効果とは、簡単にいうと、職場に存在する「ノイズ」を目立たなくするトリックです。特に先述の「自分が直接関係しない同僚の仕事上の会話」など人の声は、会話の音を「遮断」するのではなく、人の声に近い周波数帯の”音のカーテン”を引いてあげることで、会話の内容が聞き取れなくなり、脳が会話の内容を分析することをストップすることで、気にならなくなる効果を利用して、より良い仕事環境を構築するアプローチです。

また、厳密には、マスキング効果とは異なりますが、ワーキングスペースに適度なパーティションを設けることにより、物理的に話し声などをブロックして音量を減衰させるアプローチもあります。

どちらのアプローチでも、集中力を高め、パフォーマンスを向上させることに大いに貢献することが期待できます。

 


 

ワーキングスペースの 音響改善

ワーキングスペースでの音響改善に最適なソリューションをご紹介します。

音の改善は、音の入り口と出口(マイクとスピーカー)の改善が、まずは最も効果があります。

したがって、オフィスの音環境を整えるためにBGMや環境音を流すにも、やはり良いスピーカーを使った方が、その効果が高まるということが言えます。

 

Genelec  4430A Smart IPスピーカー

世界中のプロフェッショナルに認められている、北欧(Finland)のスピーカーメーカーGenelec(ジェネレック)のIPスピーカーを、まず最初にご紹介します。

Genelec 4430A

このスピーカーは、アンプを内臓している、いわゆる「アクティブ・スピーカー」となっていますので、アンプを別途用意する必要がありません。しかも再生ディバイスとは、LANケーブル1本で繋がってしまいますので、電源もスピーカーケーブルも必要ありません。下記の図のように、PoEもしくはPoE+に対応したスイッチングハブから、各スピーカーへLANケーブルを接続するだけです。施工も簡単ですし、何より大量のケーブルを職場内に敷設する必要がないため、見た目も大変美しく設置することができます。サイズは、4430Aと、少し小柄な4420Aの2種類から選べます。

Genelec 4430A

音源の再生は、PCもしくは、IP伝送に対応したCDプレイヤー、BGM再生装置などから行います。この部分も、スイッチングハブにLANケーブル一本でOKです。

さらに、これはIPスピーカーならではの機能ですが、スピーカー・グループを設定することにより、特定のスピーカーからは、他のスピーカーとは異なる音源やボリュームを設定することが可能です。異なる環境に対して、2セットの(またはそれ以上の)システムを導入することなく音源を完全にコントロールできるため、大幅なコストカットを行うことができるのです。

 

ちなみに、少し丸みを帯びた特徴的なこのスピーカーの外観は、Finlandが誇る世界的に有名なデザイナー ハッリ・コスキネン(Harri Koskinen)によるものです。ハッリ・コスキネンの代表作は、この「ブロックランプ」という室内照明です。皆さんも一度はどこかで見たことがるのではないかと思います。

 

 

GENELEC RALカラー

 

また、Genelecは、カラーオプションも豊富です。

白や黒以外にも、ドイツの標準 RALのカラーチャート120色から自由に選ぶことができますので、どのようなインテリアデザインともマッチさせることができ、ワーキングスペースの家具など内装デザインを損なうことなく自由にお洒落にリスニング環境を構築することができます。

 

 

 

 

 

 

そして、取り付け金具のオプションも非常に豊富ですので、天井や壁に取り付けたり、デスクの上に設置したりと、自由なレイアウトを行うことができるのも魅力のひとつです。

Genelec アクセサリー・カタログ

 

 

 

 

Genelecのスピーカーは、世界中の音楽スタジオや放送局で、まさにデファクトスタンダードとして選ばれているので、その音質は折り紙付き。Genelecの正確な再生は、世界中の音のプロフェッショナルに選ばれていることで実証されています。

ワーキングスペースに適切なBGMや環境音を流すことにより、マスキング効果や、メンタルヘルス効果を得ることができるのですが、いくらコンテンツにそういった効果があっても、それを再生するスピーカーが正確な仕事をしていないと全く意味がありません。「とりあえず音が出ていれば効果あるんじゃない?」と思われるかも知れませんが、実は、耳と脳は自分で思っているよりはるかに繊細で敏感なのです。心地よく感じる音を言葉で表すのは至難の業ですが、逆に、聴けば誰でもすぐに判ります。せっかくの音響改善ですので、是非、より良い音でコンテンツを流してみてはいかがでしょうか。

 

次に、ワーキングスペースにパーティションを導入し、ノイズ源をブロックする方法を紹介します。

特にオープンなレイアウトのオフィスで、最も頻繁に発生する「ノイズ」は、社員同士の会話です。 1mの距離での通常の音声は約60 dB(A)であることがわかっています。電話の呼び出し音、話している人など、バックグラウンド ノイズは、個人の集中力を乱す可能性があります。だからと言って、こうしたのノイズが一切オフィスからなくなると、逆に、異なるチーム/アクティビティ間の音声プライバシーに悪影響を与える可能性がでてきます。つまり、何を話していても、フロアを共有している人に全て筒抜けという状態になってしまうわけです。
実は、バックグラウンド ノイズは、オープンなレイアウトのオフィスにおいて、集中を損なう会話ノイズをマスクするのに役立っているのです。ただ、バックグラウンド ノイズのボリュームが大きすぎると、元も子もありません。
ヨーロッパなどのガイドラインでは、オープンなレイアウトのオフィスの場合、安定したバックグラウンドノイズをNR40前後にする必要があると規定されているそうです。そして、これは、ワーキングスペースに適度なパーティションを導入することにより比較的簡単に実現することができます。

オフィスの音響改善

 

Vicoustic

室内音響の調整アイテムとして今回ご紹介するのは、ポルトガルの室内音響ソリューションメーカー「Vicoustic」です。 Vicoustic は、音のプロフェッショナルたちが活躍する音楽スタジオや、シビアな耳を持つHi-Fiオーディオのファンに広く愛用されており、その効果はまさにプロクオリティです。通常、室内音響を調整する場合、そういったノウハウを持つ専門業者に依頼し施工を行うことが多いと思いますが、その場合、大変大掛かりな工事になる上に、大変なコストがかかってしまいます。また、ウェブショップなどで、室内音響調整用のスポンジやパネルなどを購入し、DIYで施工することもできるのですが、ウェブで見つけることのできるアイテムは、グレーや白といった、お世辞にも見た目が良いと言えないものが非常に多く、せっかく家具などインテリアに凝ったオフィスを作っても、それが台無しになってしまいます。「Vicoustic」の製品は、そのような悩みを解決する、プロクオリティの効果と高いデザイン性を併せ持つソリューションです。施工も比較的簡単で、自立スタンドから、吊り下げタイプなど様々なオプションがあります。

以下に Vicoustic を使ったオフィスの例をいくつかご紹介いたします。

 

会議室の音響改善

次に、会議室の音響改善の例をご紹介いたします。

最近、テレワークや、異なるオフィス間のコミュニケーションで、ウェブ会議を行うことが増えてきたという方、きっと多いと思います。

ウェブ会議においては、ビデオの画質より、音質の良さが圧倒的に重要になります。声が明瞭に聞き取れなければ、会議は成り立ちません。しかし、せっかく電子会議用の専用マイクを導入してみたけど、なんだか聞き取りにくい…という経験をされた方も少なくないと思います。

この原因は、2つあります。

1つは「マイクなど音響機器の性能」。そして、もう1つは「部屋の反射」です。

 

ウェブ会議に使用する音響機器の改善

弊社グループでは、プロのサウンドエンジニアが使う機器を中心に様々なブランドを取り扱っておりますが、今回はその中でも、取り扱いが簡単なものを中心にご紹介したいと思います。

ウェブ会議では、PCを使いネットに音声を配信することになるのですが、その際の音質を決定する重要な機器が3つあります。

1つは「オーディオ インターフェイス」。もう一つが「マイクロフォン」。そして、最後に「スピーカー」です。

オーディオ インターフェイスとは、PCにUSB接続して音の入出力を処理する専用のディバイスです。PCに付いているマイクを使ってウェブ会議を行うのとは次元の違う、クリアで「伝わる」音声を届けることができます。

 

RME / Babyface Pro FS

 

RME Babyface Pro FS

ドイツのプロフェッショナル音響機器ブランドのRMEは、その正確な再生と安定したドライバーにより、世界中に多くのファンを持つブランドです。そのRMEの中でももっともウェブ会議に適したモデルがこのBabyface Pro FSです。

真ん中のジョグシャトルは、直感的にボリュームを変更することができますし、一時的にマイクの音声を小さくする(またはOFFにする)DIMボタンも付いています。そして、ここからが他のウェブ会議用のマイクにはない機能なのですが、このBabyface Pro FSは、小型のデジタルミキサーの機能も持っているのです。これはつまり、YouTubeやウェブブラウザーといったPC内のアプリやソフトウェアで再生した音声、または、iPhoneなどスマートフォンなど外部機器から再生される音声を自由にマイクの音声にミックスして、相手に届けることができるのです。さらに、マイクの音声を聞き取りやすくするためのEQやコンプレッサーという機能も内包していますので、ちょっとマイクの低音をカットして聞き取りやすくしたり、強弱の強すぎるマイクの音声をコンプレッサーで一定の音量に抑えたりすることができます。まさに、ウェブ会議に必要な機能が全て入っているオールインワンモデルです。さらに、PCとの接続は、USBケーブル1本で、電源も必要ありません。

そして、このBabyface Pro FSに接続するマイクロフォンとスピーカーとしておすすめなのが以下の2機種となります。

 

Austrian Audio OC818

Austrian Audio

このマイクの特徴は、指向性を切り替えることができるところにあります。

指向性とは、マイクが収音する方向のことです。単一指向性は収音するエリアが前面のみになりますので、一人や少人数の会議に最適です。また、双指向性を使うと、収音のエリアが前面と背面になりますので、向かい合ったレイアウトでの会議にぴったりですし、大人数の会議には、全指向性を使うと良いでしょう。

 

Genelec 8010

先ほどご紹介した4420A Smart IPスピーカーとルックスは似ていますが、こちらのモデルは、デスクトップでの使用に最適なシンプルモデルとなります。

8010のサイズは、H 195 x W 121 x D 116 mm(Iso-Pod™ 含む)となっており、デスクトップに設置するにも壁や天井に吊るすにも最適なモデルです。

GENELEC 8010A

また、デスクトップに設置した際も、付属のIso-Pod™ で、スピーカーに角度をつけられるので、大変便利です。

もちろんカラーも、先述のRALカラーの120色から自由に選ぶことができます。

接続には電源ケーブルと音声のケーブルが必要ですが、小さなボディからは想像のできない、クリアでラウドな音が出るため、ウェブ会議にはぴったりのスピーカーです。

 

 

*Genelecの8010はもう少しサイズが大きい8020や8030など、サイズのバリエーションがあります。部屋のサイズに合わせて適切なモデルをお選びください。

 

 

 

部屋の反射を改善する – Vicoustic

次に、部屋の反射の改善についてお話をしたいと思います。みなさんの会社の会議室の壁はどんな感じでしょうか? きっと石膏ボードなどの白くて硬い壁、もしくは、ガラスでできた壁が多いのではないかとおもいます。これらは、実は、音響的にはあまりよくありません。脳内で自動補正のおかげで普段そこで会話をしている分には余り気になることもない場合がありますが、壁やガラスはかなり音を反射しています。その様な反射の非常に多い環境で会議をおこない、その会議の音声をマイクで収録して相手先に届けているということになります。このブログの冒頭でお伝えしたことを思い出してください。マイクは脳内でのフィルター処理がかかっていない ”すっぴん” の「音」を収録しています。自分達は気になっていなくてもウェブ会議の相手先では、みなさんの声が壁に反射した音と共に届いてしまい、お風呂で喋っているような妙に響いた音になっていたり、さらには特定の周波数が打ち消しあって、随分と聞き取りにくく不明瞭な音声になっているのです。

下のビデオでは、音の反射をわかりやすく解説しています。ホームシアターでの反射に関してのシミュレーションですが、部屋のサイズを考えても会議室などでも同様の反射が起こっていますので、きっと参考になるはずです。

音源から直接鼓膜に届く音を「直接音」と呼びますが、音源は同時に天井や壁に反射します。これを「初期反射」と呼びますが、これらの音は、壁に反射し他時に形(音の波形)が変化しています。(ビデオでは、虹色で表現されています)そして、その初期反射音が、ダイレクト音と混ざって鼓膜に届くことにより、音が聞き取りにくなります。反射の多い会議室では、様々な反射が様々な方向で起こっており、会議室で音が聞き取りにくくなるのは、これらが原因であることがほとんどです。

この反射は、Vicousticの吸収と拡散を行うパネルをいくつか導入することで簡単に解消できますが、コツは、やりすぎないことです。もし壁の全面が吸音素材で覆われていると、部屋から全く反射音がなくなってしまい、逆に音声が通らなくなったり、息苦しく感じてしまったりします。部分的に吸音と拡散の処置をすることで劇的に会議室の音響を改善することができます。

 

どこに何を何枚貼れば良いのか?また、どの様にパネルを設置するのが良いのか?などなど、導入に関する疑問は専門スタッフよりご案内可能です。

 

Vicoustic 導入のご相談窓口

 

また、Vicousticではシミュレーションソフトを使った本格的なコンサルティングも行なっております。

ご興味のある方は、下記フォームに部屋の情報を書き入れていただき、ご気軽にご相談いただければと思います。

 

Vicousticについて相談する(フォーム)

 

微妙な声のニュアンスとビデオ映像が合わさることにより、距離を感じないナチュラルな会話を行うことができるようになり、ウェブ会議がより充実し、生産的になります。これからのビジネスには必須のアイテムとして、是非この機会にウェブ会議のシステムを見直してみてはいかがでしょうか。

 


使用機材

Vicoustic

Vicoustic

エレガントなデザインと機能性を両立したポルトガルの室内音響ソリューション・ブランド

Babyface Pro FS

RME Babyface Pro FS

12イン/12アウト 24bit/192kHzサポート USBバスパワー対応 プロフェッショナル・オーディオインターフェイス

OC818

Austrian Audio OC818

マルチパターン&デュアル出力コンデンサー・マイクロフォン

4420A

Genelec 4420A

Smart IPスピーカー。LANケーブルのみで接続可能。

8010A

Genelec 8010A

非常にコンパクトな筐体で持ち運びにも便利なスタジオ・モニター

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