メディア・イノベーション・ワークショップ vol.2

サラウンド、イマーシブ、バイノーラル、Ambisonicsといった音響コンテンツは今、VR、AR、MR、360度動画などの新しい体感型コンテンツの普及と共に、新たな表現手法として各方面で需要が急増しています。

現在、イマーシブ・オーディオ(=立体音響・没入型サラウンド)の技術とノウハウは様々な業界で求められています。映像、ゲームやアミューズメント、コンサートやイベントなどの現場はもちろん、建築やインテリア、自動車、設備、そして各研究開発機関や教育現場など、各方面の業界において製品・サービスとメディアコンテンツとの関わりは、年々密になっています。

今回は、イマーシブ現場の最前線で世界的に活躍される3名が登壇します。ORFオーストリア放送協会のサウンドエンジニアであり、ウィーン・ニューイヤーコンサートの録音エンジニアとしても実績のあるフローリアン・カメラー氏。日本プロ音楽録音賞など数々のアワードを受賞し、サラウンド・ハイレゾ音楽制作の第一人者として国内外でご活躍されるMick沢口氏。そして、日本初のAmbisonicsアルバムをリリース予定の音楽家、江夏正晃氏。

基礎知識の解説をはじめ、より実践的な技術知識やノウハウのレクチャーを行って頂きます。両者のリリース前の音源のご試聴も頂ける、貴重なチャンスです。

ぜひ最先端の現場事情、最先端の3Dフォーマットや技法を学び、自社コンテンツへのフィードバックで3Dメディア市場におけるご活躍を実現してください。

Session 1

イマーシブにおける録音と再生の発展

(大阪/名古屋/東京)

昨今、世界中のカンファレンスで話題の中心となっている、イマーシブ・オーディオ(3D音響)。中でも1970年代に開発された3D音響規格「Ambisonics」は、近年のVRの技術発展と市場拡大に伴い、爆発的にニーズが急増しています。 本セミナーでは、平面音響(2D)から立体音響(3D)へのプロセスと、それらに付随するコンセプト(チャンネル、オブジェクト、シーン)を解説。5.0ch/9.0chのデモ音源を用いて、システムの背景にある概念と理論についても講義されます。また、イマーシブ録音を専門とする氏による、独自のマイクシステムとその変遷も紹介。ウィーンフィルのニューイヤー・コンサートをイマーシブでミックスした音源も、特別にご試聴頂けます。

フローリアン・カメラー

ORFオーストリア放送協会 サウンド・エンジニア

EBU PLOUDグループ 代表

AES(Audio Engineering Society) メンバー

ウィーン・ニューイヤーコンサートの録音エンジニアとしても活躍。1990年にオーストリア放送協会(ORF)に入社。1995年、プロダクションサウンドとポストプロダクションの分野でスタッフサウンドエンジニア(トーンマイスター)として就任。彼はDolby Surroundにおける初のORFプログラム "Arctic Northeast"をミックスし、以降ORFでのマルチチャンネルオーディオの各方面に携わる。 2008年秋、EBUグループPLOUDの議長に着任。ヨーロッパで、ピークレベリングの代わりとなるラウドネス正規化の導入に成功する。現在、特にイマーシブ・オーディオ(3Dオーディオ)を含むラウドネスとサラウンド音響に関するプレゼンと講演を、国際的に行っている。


Session 2

イマーシブ録音の最先端 〜ノウハウと実践〜

(大阪/東京)

最先端のイマーシブ録音について主に3つのアプローチから解説とデモを行 います。 自然な空間再現immersive audioのためのマイキング 音素材から作り込んでいくComposed immersive audio フィールド録音をデザインしたサウンド・スケープ デモでは、2019年1月に大賀ホールで録音された11.1chハイレゾサラウ ンド作品「ViVa ! The Four Seasons(弦楽五重奏)」のマイキングや録 音技法などを含め実践的なレクチャーが行われる。なお本講演は、リリース前の本邦未発表の音源を試聴できる貴重な機会となる。

沢口真生

沢口音楽工房 UNAMAS- Label 代表
Fellow member AES and ips

1971年よりNHK にてキングエンジニアとして芸術祭大賞・放送文化基金賞・IBC ノンブルドール賞・バチカン希望賞等の受賞作を担当しAES ips,ABU.JASなどから優れた業績で顕彰された。2005年制作技術センター長として退職。1985 年以降は次世代HD-TVにおける音響表現として未開発のサラウンド制作に取り組み海外からは「サラウンド将軍」と敬愛されている。2001 年より AES や東南アジアを中心にサラウンド制作ワークショッフ・セミナー・ 技術発表を行ないアジアのサラウンド制作を推進。2007 年より高品質音楽制作UNAMASレーベルを立ち上げ高品質音楽配信を行なっている。日本プロ音楽録音賞ではハイレゾ部門で2013 年、2015 年、2016 年受賞続く2017年2018年には同部門最優秀賞とBEST STUDIO賞受賞。2014 年からは 没入感サラウンドによるアルバム制作に傾注しその成果は、2018年8月のAES INT CONFERENCE Spatial Reproductionにて発表。

http://unamas-label-jp.net/

近著

サラウンド入門(東京藝術大学出版)
サウンドデザイン・バイブル(兼六館出版)


Session 3

ハイレゾ・アンビソニックス作品の制作とミックス秘話

(名古屋)

Mick沢口氏率いるハイレゾサウンドでお馴染みのUNAMASレーベルより、日本初のAmbisonicsアルバムをリリース予定の江夏氏。アルバムの制作やミックスについての解説やノウハウの伝授、そしてAmbisonicsの現状や将来の可能性について語る。 一般的な2chステレオとイマーシブの制作では、必要なテクニックや課題となるポイントは、似た部分もあれば全く異なる部分もある。音質、音圧、ダイナミクスなど、最良のイマーシブ作品にするためには何が重要なのか。クリエイターならではの着眼点で、より具体的な目線からイマーシブ・オーディオを解いてゆく。

江夏正晃

株式会社マリモレコーズ 代表

marimoRECORDS Official site

音楽家、DJ、プロデューサー、エンジニア。エレクトロユニットFILTER KYODAIやXILICONのメンバーとして活動する一方、多くのアーティストのプロデュース、エンジニアなども手掛ける。また株式会社マリモレコーズの代表として、映画音楽、CM、TV番組のテーマ曲など、多方面の音楽制作も行う。ヘッドホンやシンセサイザーのプロデュースなども手掛け、関西学院大学の非常勤講師も勤める。著書に「DAWではじめる自宅マスタリング」(リットーミュージック)などがある。

  • 開催日 2019年5月23日(木)
    時間 午前の部 *:10:00-13:30
    午後の部 *:15:00-18:30
    会場 三和レコーディングスタジオ A3スタジオ(本館ビル 7F)
    住所 大阪府大阪市北区豊崎5-3-1 三和豊崎ビル
    アクセス ・大阪駅/梅田駅から徒歩12〜15分
    ・地下鉄御堂筋線 中津駅から徒歩5分
    受講料 無償(事前登録制)
    詳細 こちら

    * 午前の部と午後の部の講義内容は同じです。

  • 開催日 2019年5月25日(土)
    時間 午前の部 *:10:00-13:30
    午後の部 *:15:00-18:30
    会場 名古屋ビジュアルアーツ Air Hall(5号館 地下1F)
    住所 名古屋市中区栄 5-11-11
    アクセス ・地下鉄東山線 栄駅から徒歩10分
    ・地下鉄名城線 矢場町駅から徒歩5分
    受講料 無償(事前登録制)
    詳細 こちら

    * 午前の部と午後の部の講義内容は同じです。

  • 開催日 2019年5月28日(火)
    時間 午前の部 *:10:00-13:30
    午後の部 *:15:00-18:30
    会場 エムアイセブンジャパン m-Ex Lounge(弊社ビル 5F)
    住所 東京都港区赤坂2-22-21
    アクセス ・東京メトロ千代田線 赤坂駅から徒歩5分
    ・東京メトロ南北線 六本木一丁目駅から徒歩7分
    受講料 無償(事前登録制)
    詳細 こちら

    * 午前の部と午後の部の講義内容は同じです。

メディア・イノベーション・セミナー とは

弊社グループ(株式会社エムアイセブンジャパン・株式会社ジェネレックジャパン・株式会社シンタックスジャパン)では、国内外のトップエンジニアをゲストとして迎え、最先端のオーディオの知識やノウハウを広く共有できるセミナーイベントを開催しております。

2019年のキーワードは「イマーシブ・オーディオ(没入型サラウンド)」。

サラウンド、イマーシブ、バイノーラル、Ambisonicsといった360度の音響コンテンツは今、様々な現場で急速に需要が高まってきています。イマーシブ・オーディオはジャンルを問わず多くの業界で実際に導入されており、その技術とノウハウが求められている現状です。

Dolby Atmosなどの立体的な音場を使い没入感を高めた映像作品は、イマーシブ・オーディオの代表的な例でしょう。しかし今は、映像作品とのコンビネーションだけが全てではありません。 例えばライブ・コンサートやシアターなどでも、立体的なパンニングによるSEで高い臨場感を演出したり、ライブ会場の音響を離れた会場にて立体的に再現するパブリックビューイングなど、これらの技術は様々な現場で実際に導入されています。

また、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、360度動画などの新しい体感型コンテンツの普及と共に、音楽やサウンドも新しい表現手法が必要とされています。これらのコンテンツでは、 イマーシブ・オーディオの中でも特に「Ambisonics」(アンビソニックス)が大変注目を集めています。

映像、ゲームやアミューズメント、コンサートやイベントなどの現場はもちろん、建築やインテリア、自動車、設備、そして各研究開発機関や教育現場など、製品・サービスとメディアコンテンツとの関わりは、ほとんどの業界において年々密になっています。 これらは、決して一過性のムーブメントではないでしょう。2020年のオリンピック、そして、その先の2025年の大阪万博に向けて、このイマーシブ・オーディオをつかった作品やコンテンツが多数計画されることは想像に難くありません。そして、それらの現場では、正しい知識とノウハウを持ったプロフェッショナルなエンジニアが必ず必要となります。

弊社グループでは、このセミナーイベントを通じて、最先端の知識とノウハウを皆様と広く共有し、業界ならびに文化の発展に貢献したいと思っております。

アンビソニックス・セミナー2018レポート