HOA再生アプリ : Ambisonics Player

このアプリケーション「Ambisonics Player」は、広く音響・音楽業界に対して、Ambisonicsを理解いただくために作成されました。(無償でご利用いただけます。)

推奨動作環境内での動作検証は行っておりますが、原則サポート対象外となりますのであらかじめご了承ください。
また、アプリケーションをダウンロードすることで、ユーザーは本規約に同意したとみなされます。

 

Mac版 ダウンロード

Windows版 ダウンロード

 


 

目次

  1. Ambisonic Playerに関して
  2. 推奨動作環境
  3. IEM Plug-in Suiteのインストール
  4. Ambisonics Playerのインストール(Mac)
  5. Ambisonics Playerのインストール(Windows)
  6. Ambisonics Player各部名称
  7. Ambisonics音源の再生
  8. 基本設定
  9. ヘッドフォンでの再生
  10. スピーカーでの再生

 


 

Ambisonic Player に関して

Ambisonics は、360度の球体の音場を持つ特殊な音声フォーマットとして、ゲームの音声やVRの音声などで多く使われていますが、インターリーブファイル形式のAmbisonicsのWAVファイルを再生するには、Ambisonicsのデコーディングが必要になり、Ambisonicsに対応したゲーム開発用のソフトウェア、もしくは、DAW環境を用意し、デコーダープラグインを使い再生する必要があります。また、360度の球体の音場をヘッドフォンで聞く場合は、別途バイノーラル処理も行う必要があり、現状は、誰しもが簡単にAmbisonicsを聞くことができていません。この Ambisonics Player アプリは、それらの障害をできるだけ低くするために、エムアイセブンが自社で取り扱う、エレクトロニックアート&ミュージックの世界標準ソフトウェア「Cycling ’74 Max」を使い作成した、簡易Ambisonics再生アプリケーションです。オーディオのエンジンには「Cycling ’74 Max」を使い、プログラミングパッチ内では、IRCAM SpatやオープンソースのプラグインであるIEM Plug-in Suiteを使いAmbisonicsの様々な処理を行なっています。

現在お仕事でAmbisonicsファイルを扱っている方、また、Ambisonicsで作成された作品をお持ちの方は是非、Ambisonics Playerを試してみてください。ドラッグ&ドロップで簡単にAmbisonicsを読み込み、スピーカー再生、ヘッドフォン再生の切り替えもワンクリックで行うことができます。

 


 

推奨動作環境

  • 対応CPU:Intel Core 2 Duoプロセッサー(Intel Core i5以上推奨) * 次世代のApple Siliconには対応しておりません
  • 対応OS:Windows 10 / MacOS 10.14.6 – 10.15.13
  • 推奨対応ドライバー:ASIO / CoreAudio

 


 

IEM Plug-in Suite のインストール

Ambisonics Playerは、IEM Plug-in Suiteが事前にインストールされている環境で動作するようにデザインされています。

IEM Plugin Suiteはオープンソースのプラグインですが、IEM Pluginが採用しているGPLv3ライセンスでは、コピーレフト(Copyleft)という「完全に著作権が主張されない」考え方が採用されておりますので、Ambisonics Playerでは、IRCAM Spatと一緒にIEM Pluginを使用するために、IEM Pluginを事前に組み込んで提供する方式ではなくユーザーがIEM Pluginを自分でインストールする方式を採用しています。

以下のサイトよりお使いのOS(Mac/Windows)に合わせたIEM Plug-in Suite のインストーラーをダウンロードし、手順にしたがってインストールを完了してください。

IEM Plug-in Suite ダウンロード

  • Ambisonics Player v.1.0.0には、Simple Decoder v.0.5.0 以降が必要です。すでにIEM Plug-in Suiteがインストールされている場合は、バージョンをご確認の上、必ず最新のバージョンにてお使いください。

 


 

Ambisonics Player のインストール(Mac)

Mac版のAmbisonics Playerは「.mxf」という拡張子のついたファイルで提供されますが、Ambisonics Player.mxfファイル単体では動作しないため、事前にお使いの環境に「Cycling ’74 Max」をインストールしておく必要があります。Mac版のAmbisonics Playerは、Maxをエンジンにして動作します。

 

  • Maxはデモ期間終了後でもAmbisonics Playerのエンジンとして動作しますので、別途Maxを購入しオーソライズする必要はありません。
  • Ambisonics Player v.1は、Max 8にて動作検証を行なっております。必ずMax 8にてお使い頂きますようお願いいたします。

【注意】最新のバージョン8.1.6に一時的な問題が発見されたため、Ambisonics Playerを使用するためには、必ず下記よりバージョン8.1.5をダウンロードしてお使いください。

 

Max 8ダウンロード

 

Max 8のインストールが完了しましたら、準備は完了です。
ダウンロードされた『AmbisonicsPlayer.mxf』をダブルクリックすると、Max8が自動的に起動し、Ambisonics Playerが展開されます。

 


 

Ambisonics Player のインストール(Windows)

Windows版のAmbisonics Playerは、それ自体がアプリケーションとして動作いたしますので、別途 Max 9をインストールする必要はありません。
ダウンロードされた『AmbisonicsPlayer.mxf』をダブルクリックするだけで、アプリケーションが起動します。

 


 

Ambisonics Player 各部名称

Ambisonics Player各部名称

【1】プレイリスト
フォルダのアイコンをクリックして、Ambisonicの楽曲をAmbisonics Playerのプレイリストに追加することができます。また、曲の追加はドラッグ&ドロップでも行うことができます。

プレイリストに追加された曲はアルファベット順にソートされます。
プレイリスト内にリストされた曲をクリックすると【11】再生曲表示セクションへロードされます。

【2】スピーカー再生セクション
スピーカーでの再生を行う場合は、スピーカーのアイコンをクリックします。クリックするとアイコンは青く点灯し、スピーカー再生のモードに切り替わります。

【3】スピーカーレイアウト
スピーカーのレイアウトを以下から選択することができます。
2ch / 4ch / 5.1ch / 7.1ch / 5.1.4ch / 7.1.4ch / 8ch cube / 22.2ch

【4】詳細設定(スピーカー)
スピーカー再生に関わる詳細な設定を行います。Ambisonics Playerでは、スピーカーデコードにIEM Plug-in Suiteの「SimpleDecoder」を使っています。
Advance Settingsボタンをクリックすると、SimpleDecoderのウィンドウが表示されます。

【5】バイノーラル再生セクション
ヘッドフォンでの再生を行う場合は、ヘッドフォンのアイコンをクリックします。クリックするとアイコンは青く点灯し、バイノーラルでのヘッドフォン再生モードに切り替わります。

【6】ボリュームスライダー
レベルメーターの下にある三角のアイコンで、音量の調整を行います。

【7】詳細設定(バイノーラル)
バイノーラル再生に関わる詳細な設定を行います。Ambisonics Playerでは、バイノーラルデコードにIEM Plug-in Suiteの「BinauralDecoder」を使っています。
Advance Settingsボタンをクリックすると、BinauralDecoderのウィンドウが表示されます。

【8】オーディオ設定(Global)
ドライバーの選択、出力デバイス、サンプルレートの選択を行います。

【9】I/O設定(Global)
スピーカー再生とバイノーラル再生のチャンネルアサインを行います。

【10】トランスポートセクション
前の曲に戻る/停止/再生/次の曲に進む/ループ再生をコントロールします。

【11】再生曲表示セクション
現在再生されている曲名/分数が表示されます。また再生バー使い曲の早送り巻き戻しを行うことができます。

 


 

Ambisonics音源の再生

Ambisonic音源の再生は以下の手順で行います。

  1. AmbisonicsPlayerの基本設定(ドライバー、チャンネル、サンプルレートなど)を行います。
  2. フォルダのアイコンをクリックして、Ambisonicの楽曲をAmbisonics Playerのプレイリストに追加、または、ドラッグ&ドロップでをAmbisonic音源をAmbisonics Playerに追加します。
  3. リストされたAmbisonic音源のリストから再生したい曲をクリックします。クリックすると楽曲ファイルが、【11】再生曲表示セクションにロードされます。
  4. ヘッドフォンでの再生を行う場合は、ヘッドフォンのアイコンを、スピーカーでの再生を行う場合は、スピーカーのアイコンをクリックします。
  5. トランスポートセクションの再生ボタンをクリックします。

ヘッドフォンでの再生ならびにスピーカーでの再生に関する詳細設定は以下の章にて説明します。

 


 

基本設定

Ambisonics Playerを起動したら、最初に基本設定を行います。
基本設定は、Audio Settings(【8】オーディオ設定(Global))ならびに、I/O Settings((9)I/O設定(Global))にて行います。

 

Audio Settings

Audio Settingsでは、ドライバーの選択、出力デバイス、サンプルレート、Vectorサイズの選択を行います。
(下記の項目【1】〜【4】以外は使わない項目となります)

AudioSettings解説

【1】ドライバー選択
Windowsの場合は、ASIOを、Macの場合はCoreAudioを選択します。

【2】出力デバイス選択
内臓出力または、お使いのオーディオインターフェイスを選択します。

【3】サンプルレート選択
Ambisonicsの楽曲ファイルのサンプルレートに合わせて設定してください。

【4】Vectorサイズ選択
I/O Vector Size(I/O は入出力の略)は、オーディオインターフェースとの間で一度に転送されるサンプル数を設定することができます。
Signal Vector Sizeは、I/O Vector Sizeと同じか、より小さい値に設定できます。この2箇所の値を大きく設定することによりCPUへの負荷を軽減させることができます。
通常は、I/O Vector Size、Signal Vector Size共に1024を選択しておけば問題ありませんが、もしCPUメーターが100%近くまで振っている場合は、この値をもう一段階大きく設定してみてください。

ヒント

Windowsにて内蔵ドライバー(MME)を選択すると、Thread Priority、Latencyという2つの項目が表示されます。お使いの環境に合わせて設定をしてください。
通常は、Thread PriorityをHighest、Latencyを80に設定しておけば問題ありません。

 

I/O Settings

I/O Settingsでは、Output Device(【2】出力デバイス選択)で選択した出力デバイスのチャンネル選択を行います。

I/O Settings解説

【1】ヘッドフォン出力チャンネル
ヘッドフォンでのバイノーラル再生に使う出力デバイスのチャンネルを選択します。

【2】スピーカー出力チャンネル
お使いのスピーカーレイアウトに合わせてチャンネル設定を行います。
以下は、代表的なスピーカーレイアウトのチャンネルアサインとなります。

 

4.0 ch チャンネルアサイン

1 Front Left
2 Front Right
3 Rear Left
4 Rear Right

 

5.1 ch チャンネルアサイン

1 Left
2 Right
3 Center
4 Subwoofer
5 Left Rear Surround
6 Right Rear Surround

7.1 ch チャンネルアサイン

1 Left
2 Right
3 Center
4 Subwoofer
5 Left Rear Surround
6 Right Rear Surround
7 Left Surround
8 Right Surround

5.1.4 ch チャンネルアサイン

1 Left
2 Right
3 Center
4 Subwoofer
5 Left Rear Surround
6 Right Rear Surround
7 Top Left
8 Top Right
9 Top Rear Left
10 Top Rear Right

7.1.4 ch チャンネルアサイン

1 Left
2 Right
3 Center
4 Subwoofer
5 Left Rear Surround
6 Right Rear Surround
7 Left Surround
8 Right Surround
9 Top Left
10 Top Right
11 Top Rear Left
12 Top Rear Right

 


 

ヘッドフォンでの再生

バイノーラルデコードによるヘッドフォンでの再生には、IEM PluginのBinauralDecoderを使っています。
BINAURALセクションのAdvanced Settingsボタン(【7】詳細設定(バイノーラル))をクリックしてバイノーラルデコードの詳細を設定することができます。

BinauralDecoder 解説

【1】次数選択メニュー
プルダウンメニューより、Ambisonicsの次数(オーダー)を指定することができます。
IEM PluginのBinauralDecoderは最大7次アンビソニックまでのデコードに対応しています。
通常の使用においては「Auto(7th)」を選択しておくことをお勧めいたします。

ヒント

Ambisonicはその特性上、上位互換性を有しています。
例えば、7次のAmbisonicファイルを、BinauralDecoderで次数を下げて再生を行うことができます。
次数を変更することにより空間の音像の解像度が変化しますので、高次のAmbisonicファイルをお持ちの方は是非BinauralDecoderで次数を変更して解像度の変化を体験してみてください。

なお、1次AmbisonicのファイルをBinauralDecoderで7次再生することはできますが、解像度は1次のままとなり解像度は7次にはなりません。

 

【2】Nomalization選択メニュー
BinauralDecoderでは、Nomalizationを「N3D」 と「SN3D」から選択することができます。
通常は「SN3D」を選択しておくとよいでしょう。

【3】ヘッドフォンイコライザー
BinauralDecoderでは、23種類のヘッドフォンに最適化されたイコライジング機能を有しています。
プルダウンメニューよりヘッドフォンのモデルを選択することもできますので是非お試しください。
お手持ちのヘッドフォンモデルがリストにない場合は、OFFを選択してください。

 


 

スピーカーでの再生

スピーカー再生のデコードには、IEM PluginのSimpleDecoderを使っています。

LOUD SPEAKERSセクションのAdvanced Settingsボタン(【4】詳細設定(スピーカー))をクリックして、スピーカーデコードの詳細を設定することができます。

SimpleDecoder解説

【1】次数選択メニュー
プルダウンメニューより、Ambisonicsの次数(オーダー)を指定することができます。
IEM PluginのBinauralDecoderは最大7次アンビソニックまでのデコードに対応しています。
通常の使用においては「Auto(7th)」を選択しておくことをお勧めいたします。

ヒント

Ambisonicはその特性上、上位互換性を有しています。
例えば、7次のAmbisonicファイルを、BinauralDecoderで次数を下げて再生を行うことができます。
次数を変更することにより空間の音像の解像度が変化しますので、高次のAmbisonicファイルをお持ちの方は是非BinauralDecoderで次数を変更して解像度の変化を体験してみてください。

なお、1次AmbisonicのファイルをBinauralDecoderで7次再生することはできますが、解像度は1次のままとなり解像度は7次にはなりません。

 

【2】Nomalization選択メニュー
BinauralDecoderでは、Nomalizationを「N3D」 と「SN3D」から選択することができます。
通常は「SN3D」を選択しておくとよいでしょう。

【3】スピーカーレイアウト表示セクション
このセクションには、Ambisonics Playerの [Speaker Layout] (【3】スピーカーレイアウト)にて選択したスピーカーのレイアウトが表示されます。
スピーカーのレイアウトを以下から選択することができます。

2ch / 4ch / 5.1ch / 7.1ch / 5.1.4ch / 7.1.4ch / 8ch cube / 22.2ch

お使いのスピーカーレイアウトに合わせて選択をしてください。

ヒント

Ambisonicsは360度の球体音場を持つフォーマットです。立体音響ではなく平面のフォーマット(2ch/4ch/5.1ch/7.1ch)を選択した場合は、Ambisonicsファイルに収められている情報が、それぞれの平面スピーカーレイアウトに最適化され再生されますが、その場合、必ずしも立体的に聞こえるというわけではありません。ご注意ください。

 

【4】Subwooderモード
スピーカーレイアウトを選ぶと、None / Discrete / Virtual からモードが自動的に選択されます。

Subwooferを含むスピーカーレイアウト、5.1ch / 7.1ch / 5.1.4ch / 7.1.4chの場合は「Discrete」に、22.2chの場合は「None」に設定されているのが正解となります。

【5】Subwooderチャンネル
Subwooferチャンネルを設定します。通常は、4番目のチャンネルがSubwooferです。

【6】Subwooderクロスオーバー設定
Subwooferのクロスオーバー周波数とゲインを設定します。

【7】Subwooderトータルゲイン
Subwooderのトータルゲインを設定します。

 

以上

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