時代を見据えた最先端の マイク テクノロジー

Session 4
Austrian Audio CEOが語る、製品の魅力と開発思想

マイク/ヘッドフォンブランド「Austrian Audio」代表、Martin Sidel氏がオーストリアよりリモート登壇!
MI7グループ主催のセミナーイベント「Media Innovation Workshop | ONLINE」。第4回目は、マイクロフォン・テクノロジーの最先端に迫る、国内初の講演です。

セミナー全編をご覧になりたい場合は、下記「アーカイブ全編」ボタンをクリックしてください。

 


 

時代を見据えた最先端のマイクテクノロジー

マイク/ヘッドフォンブランドの中でも、とりわけユニークな存在となる「Austrian Audio」。本セミナーでは、これまでにも数々の銘品を手掛けた同社のCEO、Martin Sidel氏がオーストリアよりリモート登壇!国内初となる貴重なセッションを是非ご覧ください。

 

「メイド・イン・ウィーン、復活。」

強いメッセージを込めたこの言葉と共に登場したブランド、Austrian Audio。オーストリアの音響機器メーカーとして正しく伝統を受け継ぐハンドメイドカプセルの制作に強いこだわりを持ちながら、現代のデジタル中心の制作ワークフローにも対応すべく開発されています。指向性のワイヤレス・コントロールの実現や、収録後のポーラー・デザインを自由に変更できるプラグイン「PolarDesigner」など、彼らの目指すところはアナログの良い伝統を大切に守りながらも、限りなく未来志向。また、VR、360°コンテンツを作成するオープンソースのアンビソニックス・ソフトウェア「AmbiCreator」も話題を呼んでいます。

さらに2020年10月、日本でも新たにプロフェッショナル向けヘッドホン2機種がリリースされました。Hi-X(ハイエクスカーション=デジタル音声を高解像度で再現する技術)が特徴となる本機も、これまでに多くのプロユース・ヘッドホンを手がけたウィーンの熟練エンジニアたちがデザインしています。

本セミナーでは、彼らがブランドに込めるその熱い想いをお聞きします。伝統的でありながら革新的ーーー温故知新を体現するブランド「Austrian Audio」がスタートしたバックボーンに始まり、マイクやヘッドホンのテクノロジーや導入のメリット、ハンドメイドにこだわる理由、さらに、AmbiCreatorなど付属のプラグインの活用法など、「マイクロフォン・テクノロジーの最先端」を知ることができる貴重な講演です。

メイド・イン・ウィーン、復活。熱いメッセージを込めたこの言葉の意味を、ぜひご体感ください。

 

 

マーティン・ザイドルMartin Sidel
Austrian Audio CEO
https://www.mi7.co.jp/products/austrianaudio/

 

セミナー概要

ワークショップ Media Innovation Workshop | ONLINE
配信日時 【終了】2020年12月4日(金) 19:00 – 20:30
試聴方法 Zoom / Facebook Live
料金 無料

 


 

Media Innovation Workshop | ONLINE
最先端の音響知識やノウハウを広く共有し、全てのビジネスを一歩先へ進めるためのワークショップ

開催概要/他の講演

GENELEC presents “Immersive Audio”:Mick沢口

イマーシブ・オーディオのリファレンス音源を収録

GENELEC presents のイマーシブ・オーディオのリファレンス音源を、公開前にInterBEE 2019ステージにて特別プレビュー。本ステージには、その素晴らしいサウンドにつられてか、毎回黒山の人だかりができていました。

セミナー講演者は、録音芸術シーンを「ハイレゾ」「イマーシブ」という切り口で牽引する、世界的に著名なエンジニア Mick Sawaguchi氏。
氏が、2019年7月にフィンランド・ヘルシンキ郊外のシベリウス・ホールにて行なったレコーディングで使用した機材の紹介からマイキングの詳細まで、現場からのレポートを交えながら、正式公開前の貴重な音源を、録り下ろしの192kHz/24bitにて再生。再生システムは会場に組まれたGenelecのThe Onesシリーズで組まれた11.1ch(7.1.4)システム。
今もっとも注目されているイマーシブ オーディオの最前線・最先端を切り取った、本作品のプロデューサーとコントラバス(Cb)演奏は、GENELECの創業者である故イルポ・マルティカイネン氏さんの長男ユーホ・マルティカイネン氏が担当。その雄々しくも静粛な演奏と、シベリウスホールの響きを見事に捉えたその録音は多くのセミナー参加者の心を捉えました。
 


 
本ドキュメントの著作権は株式会社エムアイセブンジャパンと著作者に帰属します。無断複写・転載を禁じます。ドキュメントの記載事項は制作時点のものであり、将来的に予告なく変更される場合があります。また内容を保証するものではありません。文中の会社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
Copyright (c) 2019 MI7 JAPAN Inc. , author by Mick Sawaguchi

 

JUHO-MICK

登壇者

Mick沢口
沢口音楽工房 UNAMAS- Label 代表
Fellow member AES and ips
1971年千葉工業大学 電子工学科卒、同年 NHK入局。ドラマミキサーとして「芸術祭大賞」「放送文化基金賞」「IBC ノンブルドール賞」「バチカン希望賞」など受賞作を担当。1985年以降はサラウンド制作に取り組み海外からは「サラウンド将軍」と敬愛されている。2007年より高品質音楽制作のためのレーベル「UNAMAS レーベル」を立ち上げ、さらにサラウンド音楽ソフトを広めるべく「UNAMAS-HUG / J」を 2011年にスタートし 24bit/96kHz、24bit/192kHz での高品質音楽配信による制作および CD制作サービスを行う。2013年の第20回日本プロ音楽録音賞で初部門設置となったノンパッケージ部門 2CHで深町純『黎明』(UNAHQ-2003)が優秀賞を受賞。2015年には第22回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『The Art of Fugue(フーガの技法)』が優秀賞を、続く第23回では、ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『Death and the Maiden』が優秀賞を受賞。さらに第24回日本プロ音楽録音賞の前同部門において最優秀賞を受賞、第25回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリュージョン部門「クラシック、ジャズ、フュージョン」において最優秀賞・スタジオ賞を受賞。日本プロ音楽録音賞4年連続受賞の快挙を成し遂げる……ハイレゾ時代のソフト制作が如何にあるべきかを体現し、シーンを牽引しつづけている。

 


 

関連URL

GENELEC JAPAN : 「主観的イマーシブ」 Mick沢口氏×Genelecで挑んだレコーディングプロジェクト

GENELEC x Mick沢口氏GENELEC Japan Webサイトにて、本レコーディングプロジェクトについてのMick沢口氏、ユーホ・マルティカイネン氏へのインタビューが記されています。作品の購入もこちらから。

インタビューを読む

 


 

Mick沢口氏の録音技法を解説

2019年5月に開催された、弊社主催のイマーシブ・オーディオに関するワークショップ「Media Innovation Workshop Vol.2」。にて、登壇者のMick沢口氏の録音技法について詳しくご紹介されました。
詳細なマイキングを図説したスライドなどを、以下よりご覧頂けます。

レポートを見る

 


InterBEE 2019


2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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AVB ベーシック・セミナー:Max Holtmann

実用的かつ高精度な次世代ネットワーク・オーディオ ” AVB ” の構築を解説

InterBEE 2019にて実施された本セミナーでは、RMEが採用したネットワーク・オーディオ規格 ” AVB ” の基礎を学ぶ講演が行われました。Danteをはじめとする既存のネットワークオーディオにおける問題点と、 AVB がこれらの問題をどうやって解決し実用的で精度の高いネットワークを構築できるかをわかりやすく解説しました。
 


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AVB セミナー講師 : Max Holtmann

登壇者

Max Holtmann マックス・ホルトマン
RMEシニア・プロダクト・マネージャー


 

AVB Information

(株)シンタックスジャパンのインフォメーション。近年注目されているAVBが技術的な視点でどの様なメリットがあるのかを紐解きます。

AVBの詳細を見る

 


関連製品

RME Dififace AVB

RME Digiface AVB

256ch 192kHZ USBオーディオ・インターフェイス

RME M32 Pro Series

RME M-32 Proシリーズ

32チャンネル ハイエンド MADI / AVB コンバーター

 


InterBEE 2019


2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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ハイレゾ・アンビソニックスのアルバム制作:江夏 正晃

ハイレゾ・アンビソニックス制作の技法をレクチャー

UNAMASレーベルより発売が決定した、世界初の7thオーダー・アンビソニックス・アルバム「PIANO Pieces」が初めてパブリックでプレビューされました。セミナーではアンビソニックスの作品をプロデュースした理由を初めアルバム制作に使ったソフトや技法の紹介、そして7.1.4のイマーシブ環境でプレビュー再生がされました。
 


 
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Copyright (c) 2019 MI7 JAPAN Inc. , author by Masaaki Enatsu

 

Enatsu

登壇者

江夏 正晃
株式会社マリモレコーズ 代表
音楽家、DJ、プロデューサー、エンジニア。エレクトロユニットFILTER KYODAIやXILICONのメンバーとして活動する一方、多くのアーティストのプロデュース、エンジニアなども手掛ける。また株式会社マリモレコーズの代表として、映画音楽、CM、TV番組のテーマ曲など、多方面の音楽制作も行う。ヘッドホンやシンセサイザーのプロデュースなども手掛け、関西学院大学の非常勤講師も勤める。著書に「DAWではじめる自宅マスタリング」(リットーミュージック)などがある。

 


 

より詳細なレポートをお読み頂けます

2019年5月に開催された、弊社主催のイマーシブ・オーディオに関するワークショップ「Media Innovation Workshop Vol.2」。名古屋会場にて、同アルバムについてより詳しく紹介されました。
制作の経緯や作品に込める想い、技術的に苦労した点をはじめ、将来のAmbisonicsへの期待などが存分に語られています。

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InterBEE 2019


2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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ライブレコーディングの現場で「今」求められているもの:村上 輝生

MADI/DANTEに関わる現場の「生のTips」を

TOTOのアルバム”FAHRENHEIT”でGold Diskを獲得したエンジニア、村上輝生氏が考える「今」ライブレコーディングの現場で求められているものとは?
ライブレコーディングを取り巻く環境、MADIやDanteの解説に始まり、高品位かつ安定した録音システムをどのように構築し運用しているのかの解説、また、DanteなどIPプロトコルとMADIの連携方法や、アンビエンスマイクの紹介まで、実際の現場から産まれてきた「生のティップス」を、エンジニア視線で紹介された貴重な公演。
ライブレコーディングを行なっているエンジニアだけではなく「録音」全般に関わる全ての関係者必見の内容です。

Mu Murakami

登壇者

村上 輝生 Teruo “Mu-” Murakami
フリーランスエンジニア
1955年1月生まれ。大阪芸術大学出身、1977年大学卒業と同時に財団法人ヤマハ音楽振興会入社。EPICURUSホールのPAエンジニアを担当。翌年先輩エンジニアに引っ張られてスタジオ入り、アシスタントとして修業を積み80年からEPICURUSスタジオのハウスエンジニアとして働く。1985年、スタジオを休職して単身渡米、LAにてTOTO、ドンヘンリー等を手掛け、TOTOのアルバム”FAHRENHEIT “でGoldDiskを獲得。帰国後、1986~1995までエピキュラススタジオのチーフエンジニアを務め、その後ヤマハ音楽研究所にて音、映像、MIDI、通信を融合した遠隔セッションや三次元リバーブの研究などを経て1999年に45才で独立。その後、フリーランスエンジニアとなり現在に至る。J-POP、JAZZ、クラシック、ゲーム音楽等、幅広くこなしながら国内外で精力的な活動を続けている。

 



【村上】
昨今、ライブ市場が非常に活性化しています。ライブレコーディングの規模もシステムも多様化し、コンパクトなシステムが普及。「大規模な映像収録がある際は必ずライブレコーディング」といった流れがあり、今後もこの勢いは続きそうです。
 

【村上】
現場では、常に「コンパクト」で「安定した」システムが求められている。 そして、素早くセットアップを行うことができるというのも非常に重要なファクター。 FOHやFBと一緒に行うべき回線チェックに、自身の機材のセッティングが間に合わないなんてことがないように、コンパクトで設営が早いシステムが望ましと考えています。
 


【村上】
MADIはざっくり言うと、よく見かける2chや8chのAES/EBUと同じデジタル信号を束ねて、たった1本のケーブルで最大64Chの信号のやりとりが可能な非常に優れたデジタル・オーディオの規格です。
 

【村上】
約30年前の規格ながらライブ機器関連では未だにメジャーなフォーマット。
接続にはコアキシャル(75Ωの同軸ケーブル)、または光ケーブルを使用します。
 

【村上】
MADIは、IP系の伝送規格とは違い、アナログと同様の入力とか出力の概念が通用するのでわかりやすい。
基本的にMADI規格に対応した録音機やIFではステージボックスに入った信号が同じ順番で受信出来ると考えれば良いです。
Zepp系、LIQUIDROOM、O-East、O-Westなど大箱を始め、中小のライブハウスでも、DiGiCo、SSL、SoundCraft、Avid等のライブミキシング用デジタルコンソールが使われており、その多くにはMADI端子が搭載されています。
また、一般的に広くつかわれているDante仕様のYAMAHAのデジタル卓でも、スロットにMADIボードを搭載すればMADI接続も可能で実際に搭載されている例も多数ある。
 

【村上】
一言で言えばPAに迷惑をかける可能性がゼロ。これは非常に重要なこと。
MADI対応機器であればクロックさえ間違わなければ繋ぐだけで必ず音が来る。これはとても大きなメリットです。
DanteのようなIP伝送の場合、ルーティングの自由度も高く、利便性も非常に高いのですが、ちゃんとルーティングしなければ何も音は来ません。
IP系のデメリットは自由度が高い分PAも含めたシステム全体の安全性の確保が難しいのと、FOH卓に直接入力したものを録音する場合はFOH卓側での設定が必要でFOHエンジニア側にもDanteの知識が必要な事です。
 

【村上】
Danteの開発元Audinate社のWeb上のトレーニングビデオ(日本語も有り)で最低でもレベル2までの試験に合格出来ないレベルだとヤバイかもしれません。
レベル1の試験は知識テストのみ。 レベル2だと知識テストとオンライン上のバーチャルシステムで実地テストがあります。 合格すると「Certified」の証書が贈られます。
 

【村上】
極端な話、1UのMADI対応の簡易レコーダーにMADIケーブルをつないで録音ボタンを押せば誰にでもライブ レコーディングが可能です。
が、僕の場合は、より良い結果を得るため、オーディエンス マイク用に高品位のマイクプリを使用し、オーディオ インターフェィスとDAWを使って収録します。
RMEのMicstasy(ミクスタシー)は音質もダイナミックレンジも素晴らしいマイクプリですがそれだけではありません。 オプションスロットにMADIカードを搭載でき、それによりMADI Recordingが格段に楽になります。
例えばDiGiCoは56CHのMADI仕様で57~64CHは制御信号等で使用していますが、MicstasyのIDの設定により57~64CHをAudience MicのMADI OUTとして使えます。
あるいは1~8(ID=1)でも9~16(ID=2)でも49~56(ID=7)でも、8CH単位で1~64CHの任意のブロックに割り込みが可能です。
さらに、もうひとつメリットがあります。
DiGiCoのラックからはコアキシャルでMADI信号を受け取りますがMicstasyはコアキシャルとオプティカルの両方から同じMADI信号を出力することが出来ますので、コアキシャルとオプティカルを2台別々のUFX+に分岐して録音する事が可能です。

【村上】
これが、最近の僕の典型的なセットアップとなります。
ステージボックスからもらったMADIをHA(Micstasy)にて受け、ここで、オーディエンス マイクの音を乗せたら、Micstasy上でMADI信号を2系統に分岐。
それぞれ、Firefafce UFX+ に送り、録音を行います。

【村上】
Fireface UFX+は1Uですが94チャンネルもの入出力があり、MADI信号もそのまま受信可能なRMEのフラッグシップ・インターフェイスです。
設定によりコアキシャルでもオプティカルでも、あるいは二重化でも、MADIを受信することができます。
僕のシステムでは2台のUFX+を使用し、片方はコアキシャルで受け、もう一台はオプティカルで受けます。
小さいながら全部の入出力が俯瞰できるメーターは見やすいし、Macとの接続状況を示すインジケータもUSB3やThunderbolt接続で色が変わってわかりやすいし、MADIを受信した時も、視覚的に知らせてくれたりします。
2つあるヘッドフォンアンプも強力なので、半端なくデカい音の中でも余裕でモニターすることができます。
 

【村上】
DAW ソフトにもこだわってます。
2つの異なったDAW、Studio OneとSEQUOIAを使っています。
Studio Oneは、音質良いし軽くて安定した動作、見やすい入力メーター、ドングルを使わないでオーソライゼーションが可能なのが良いです。
SEQUOIAを使っている理由は、いつもお仕事をお願いしているマスタリングエンジニアも絶賛のプレミアムな音質が1番の理由だが、桁違いのバッファサイズがとれるためか、安定した動作が失敗の許されないライブレコーディングの現場では特に嬉しい。(僕の環境では、普通のDAWが2,048サンプルとかに対して、SEQUOIAは32,768サンプルとか設定することが可能。)
どちらのソフトも留意点は2つ。最重要はクロックの設定(もちろんMADI Syncに設定)とI/Oセットアップです。 そこさえ間違えなければ大丈夫。

【村上】
Studio OneもSEQUOIAもオーディオ インターフェイスには、RMEのFireface UFX+を使ってるんで、裏面ではTotal Mix FXが動作している。
最新版のTotalMixは、表示のカスタマイズも楽になったし、iPadでリモートも可能。 Total Mix Remoteはマジにオススメ!!!!
 

【村上】
また、Fireface UFX+には、本体にUSBスティックを挿しておけば、全てのチャンネルをUSBドライブに録音できる「DURec」 という機能があり、DAWソフトでの録音と並行してDURecを使うことで、一台のインターフェイスで2台分の録音ができるためとても便利です。
本体上で、バックアップ状態(書き込み速度やエラー監視)も常時チェック出来るんで、いいことずくめです。
 

【村上】
何故Pro Toolsで録らないかよく聞かれますが、ProToolsはAvidのハードウェア(HD MADI)以外では32CHまでしか録れない仕様なのです。(Pro Tools指定の場合はHD MADI使って録りますケド. . . . 費用が高くなります)
ちなみにStudio One も SEQUOIA もトラック名がついたWAVファイルが生成されるので、そのままPro Toolsに読み込む事が出来ます。 もちろん、ドラック&ドロップでもOKなので、ミックス作業は慣れたPro Toolsでって時でも、収録は大体 Studio One と SEQUOIAでおこなっています。
 


=おすすめアンビエント マイクのご紹介=
【エムアイセブン三橋】
元AKGのエンジニアが立ち上げ、ウィーンにおけるハンドメイドのカプセルを復活させたブランド、Austrian Audioのマイクをご紹介いたします。 https://www.mi7.co.jp/products/austrianaudio/about/
 

【エムアイセブン三橋】
特にハイエンドモデルのOC818は、デュアル ダイアフラムのモデルとなっており、それぞれのダイアフラムの音を個別のトラックに収録しておくことにより、後で、DAW上にてそれぞれのダイアフラムの音をブレンドすることにより、指向性を変更できます。 例えば、ギターアンプに使った場合、裏面のダイアフラムの音量をミックス時に調整しライブ感を出したりと、EQとは異なるアプローチで音質を変更することが可能です。
 

【エムアイセブン三橋】
さらに、別売のBluetoothオプションを使うと、マイクをiOSアプリからコントロールすることもできます。 例えば、高い位置に固定されたマイクの指向性も、この機能を使えばいつでも簡単に変更することができます。
また、ピークメーターもついておりますので、キックドラムなどに使う場合でも、ショーの途中でPADをONにしたりすることができ大変便利です。
 

【村上】
最近は、Danteを使うこともとても増えていますが、実はDanteからMADIに変換、または、MADIからDanteへの変換もコンバーターを使えば普通にできるんです。
僕が今欲しいのはRMEのDigiface Dante
普通にDanteのインターフェィスとしても使えるし、コンピューターを使用しないスタンドアローン・モードで64chのDante > MADIコン バーターとして使えるんで、いつも使ってるMADI Recording Systemの前段にコレを入れるだけでMADIでもDanteでも同じシステムでいけるんです。
 

 
 

=おすすめコンバーターのご紹介=
【エムアイセブン三橋】
ここで、ライブ現場で「必ず」重宝する、マルチコンバーターをご紹介します。
その名もズバリ「マルチバーター」というのですが、Appsys ProAudioというブランドです。
このコンバータ一があれば、Danteもらいでも、MADIもらいでも、どのような現場でも確実にこなすことができます。

【エムアイセブン三橋】
さらに、別売のSRCオプションを使えば、 サンプリングコンバートはもちろんのこと、いわゆる、デジタルの「縁切り」ができるため、FOHに絶対に迷惑をかけない録音が可能となります。
 
*デジタルの「縁切り」に関して詳しくは、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
 

【村上】
最後に、、、 これが、以前の私のシステムです。
たくさんのHAをADATでまとめて、MADIにして、それを分岐しているのですが、非常に物量が多いです。
 

【村上】
そして、これが、最近のシステムです。 とてもコンパクトになり、現場でのセットアップもクイックに行えますので、それ以外の作業により多くの時間を割くことができるようになりました。
 
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Copyright (c) 2019 MI7 JAPAN Inc. , author by Teruo “Mu-” Murakami

 


InterBEE 2019


2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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PreSonus StudioLiveシリーズIII S ハンズオン・ワークショップ:Laz Harris

ライブ、レコーディングに優れたミキシング・エクスペリエンスを

優れたミキシング体験を提供する米国PreSonus (プリソーナス)社の”StudioLiveシリーズIII S”をご紹介。
APACセールス・マネージャーのLaz Harris氏よるStudioLiveシリーズIII Sの直感的なワークフローの実演に続き、後半はAVBネットワーキングテクノロジーの最前線にあるStudioLiveシリーズIIIエコシステムについて、コンソール1台からステージ・ボックス、パーソナル・モニター・ミキサーなど、ニーズに応じて追加し拡張可能であることを事例を交えながら解説しています。
ライブ、レコーディングにおけるスケーラブルなソリューションをお探しの方に最適な内容となっています。
 


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Laz-Harris

登壇者

Laz Harris ラズ・ハリス
PreSonus Audio Electronics APACセールス・マネージャー


製品詳細

StudioLive-SeriesIII-Sスモール・サイズでラージ・フォーマットのパワーを提供するデジタル・コンソール/レコーダー “StudioLiveシリーズIII S”。本製品の詳細はこちらからご覧ください。

製品詳細を見る

 


InterBEE 2019


2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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Softube ライブ&ワークショップ:Kabuki

コンパクトでクリエイティブなミキシング・システムの実践

ドイツ・フランクフルトを拠点に活躍する音楽プロデューサーKabuki氏による Softube クリエーティブ・ワークショップを2日間に渡り実施。ハードウェア&ソフトウェア・ブランドSoftubeのミキシング・システム「Cosole 1」「Console 1 Fader」や、同ブランドのソフトウェア・プラグインを駆使したクリエーティブなミキシング術をkabuki氏が実演、披露しました。DAW環境でありながら、忠実にアナログ・モデリングされたソフトウェアの音質を体感でき、さらに直感的でコンパクトなミキシング・システムを実装できるSoftubeならではの可能性が体現されたレクチャーとなりました。

Kabuki

登壇者

Kabuki
音楽プロデューサー
ドイツ・フランクフルトを拠点に活躍する音楽プロデューサー。モジュラー・アーティストとしてジャングル/ジューク/ダブステップといった様々なジャンルを網羅した音楽作品を精力的にリリースする傍ら、Abbey Road Instituteでシンセサイザーの講師を務める。さらにソフトウェア・メーカーにおいては、サンプル・ライブラリーの制作や、ソフトウェア・シンセサイザーのプリセット・プログラミングにも携わっている。

 


 

Softube

Softube2003年にスウェーデンのストックホルムで設立したソフトウェア・プラグイン/ハードウェア・ブランド “Softube”。プロフェッショナル・オーディオ・ハードウェアの正確な物理モデリングを実現するブランドです。

Softubeの詳細を見る

 


 

InterBEE 2019


2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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Genelec「Aural ID」とはなにか?:岡安 啓幸

Aural IDでのモニタリングがもたらすものは

「Aural ID(オーラル・アイディー)」とは ユーザーのパーソナルな頭部伝達関数(HRTF)情報をSOFA(AES69)というフォーマットでファイル化、ID化するサービスです。このファイルを利⽤することでヘッドフォンによるステレオ及びイマーシブ・コンテンツを正確にレンダリングすることが可能になるため、すでに多くの仮想現実(VR)とゲーム、オーディオのレンダリングエンジンでサポートされはじめています。
本ワークショップでは、Aural IDの概要からSOFAファイルの説明、実際の使用方法まで、DSPの専門家でありプログラマー/音楽家の岡安氏に解説いただきました。

岡安氏には、後日、InterBEEでのワークションップをベースに、SOFAファイルの特集記事を特別に執筆いただきました。是非ご一読ください。

 

「バイノーラル再生とSOFAがもたらす未来」を読む

 

岡安啓幸

登壇者

岡安 啓幸
音響作家/楽器デザイナー/プログラマー
国立音楽大学にてコンピュータ音楽、作曲を学ぶ。
自身の創作で培ったデジタル信号処理技術を活かして、これまでにインスタレーション作品のサウンドプログラミングやミュージシャンへの特注楽器製作、ライブ演出システム製作などを手がける。
2016年にPROGRESSIVE FOrMよりアルバム Shin Sasakubo & Akiyuki Okayasu「invisible flickers」をリリース。
https://scrapbox.io/akiyukiokayasu/


Aural ID

Aural IDヘッドフォン・モニタリングを再定義するソフトウェア・テクノロジー「Aural ID」。発表当時の文書をご覧頂けます。

プレスリリースを見る

 


InterBEE 2019

2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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「BLOOM OF SOUND」試聴会:三橋 武

Immersive Audio Reference Disk

エムアイセブンジャパン 三橋による、イマーシブ音源再生デモンストレーション。BluRay Diskに収められたイマーシブ音源を、BDプレイヤー、AVアンプ、Genelecの同軸スピーカーで組んだイマーシブ再生環境でたっぷりとお聞き頂きました。Blu-ray Diskに収められた音源は、全て、Stereo / DTS-HD Master(5.1) / Dolby Atmos (11.1) / Auro-3D(11.1)にオンザフライで切り替え可能。異なるフォーマットの音質差をお聞き比べ頂きました。
 


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Copyright (c) 2019 MI7 JAPAN Inc. , author by Takeshi Mitsuhashi

 

interbee2019 Mitsuhashi

登壇者

三橋 武
株式会社エムアイセブンジャパン B2Bセールス・ディレクター


 

本ディスク「BLOOM OF SOUND」詳細

interbee2019 BLOOM OF SOUND イマーシブご試聴会でお聴き頂いた本ディスクについて、制作の経緯をはじめ、収録楽曲や再生フォーマット、また録音技術について詳細をご紹介しています。

ディスク詳細を見る

 


InterBEE 2019


2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

レポートを見る

イマーシブ録音の最先ノウハウと実践:Mick 沢口氏

日本が世界に誇るハイレゾ・イマーシブ・レーベル「UNAMAS」代表の Mick沢口氏による、貴重なイマーシブ解説。氏が5年をかけて軽井沢で行なってきた「クラシックシリーズ」でのイマーシブ録音、そのハイトマイクの配置方法を実際の作品を聞きながら徹底解説した貴重な講演。マイキングだけではなく、録音機材や録音技法まで、実践的なレクチャーが行われた


MI7グループ主催のセミナーイベント「Media Innovation Workshop vol.2」

「最先端の音響で、全てのビジネスを一歩先へ。」

第2回目となる2019年5月、イマーシブ・オーディオ(立体音響・没入型サラウンド)に関するワークショップが国内3箇所で開催された。


 
現在、音楽だけなく様々な業界でニーズが高まっている「イマーシブ・オーディオ」。今回は、イマーシブの現場の最前線で世界的に活躍される3名が登壇された。
ORFオーストリア放送協会のフローリアン・カメラー氏、”サラウンド将軍” Mick沢口氏、そして、日本初のAmbisonicsアルバム制作者 江夏正晃氏。各講師より、イマーシブに関連する基礎知識や録音/再生技術、また制作した作品の紹介や、より実践的なノウハウについてお話し頂いた。
 

ワークショップ詳細

 


講師

Mick沢口氏
Mick沢口
沢口音楽工房 UNAMAS- Label 代表
Fellow member AES and ips
 
1971年千葉工業大学 電子工学科卒、同年 NHK入局。ドラマミキサーとして「芸術祭大賞」「放送文化基金賞」「IBC ノンブルドール賞」「バチカン希望賞」など受賞作を担当。1985年以降はサラウンド制作に取り組み海外からは「サラウンド将軍」と敬愛されている。2007年より高品質音楽制作のためのレーベル「UNAMAS レーベル」を立ち上げ、さらにサラウンド音楽ソフトを広めるべく「UNAMAS-HUG / J」を 2011年にスタートし 24bit/96kHz、24bit/192kHz での高品質音楽配信による制作および CD制作サービスを行う。2013年の第20回日本プロ音楽録音賞で初部門設置となったノンパッケージ部門 2CHで深町純『黎明』(UNAHQ-2003)が優秀賞を受賞。2015年には第22回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『The Art of Fugue(フーガの技法)』が優秀賞を、続く第23回では、ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『Death and the Maiden』が優秀賞を受賞。さらに第24回日本プロ音楽録音賞の前同部門において最優秀賞を受賞、第25回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリュージョン部門「クラシック、ジャズ、フュージョン」において最優秀賞・スタジオ賞を受賞。日本プロ音楽録音賞4年連続受賞の快挙を成し遂げる……ハイレゾ時代のソフト制作が如何にあるべきかを体現し、シーンを牽引しつづけている。
https://unamas-label-jp.net/
 


 

最初に

実際のレクチャーの中では、全ての音源がイマーシブセットアップされたGenelec スピーカーを通じてハイレゾ再生されていましたが、このレポート記事の中では全ての人がレクチャーの追体験をできるように、音源の販売サイト(試聴オプションあり)のリンクを記載しました。(ヘッドフォンでの試聴を行う方はHPLの方をお選びください)
【試聴音源 記載例】
Death and the Maiden
Franz Schubert / No-14 in D minor Death and the Maiden
UNAMAS Strings Quintet(2016/4/22)
試聴音源:HPL 9版の購入はこちら
試聴音源:2chステレオ・5.1サラウンド版の購入はこちら
録音会場の詳細レポートはこちら
 
 
 


ワークショップ概要

最初のセクションでは、没入感サラウンド(イマーシブサラウンド)では、どのような空間表現が可能なのか、3つの異なるアプローチに対して、それぞれの成功の鍵がTIPSとして紹介された。
 
【Type-01】  自然な3D空間再現

  • 具体的な作品例:クラシック音楽の録音、ライブコンサート、スポーツ放送
  • 成功の鍵:マイキング(効果的なマイキングが必要)

【Type-02】創造型3D空間構築

  • 具体的な作品例:コンピューター音楽、メディア・アート、イベント音響
  • 成功の鍵:サウンド・デザイン(事前に設計図を描くことが必要)

【Type-03】自然音空間再現

  • 具体的な作品例:サウンドスケープ、フィールドレコーディング
  • 成功の鍵:忍耐と幸運(良い音が取れるまで粘ることが必要!)

 
続いて次のセクションでは、それぞれのイマーシブ・オーディオの「タイプ」に対しての詳細な説明があった。
 

 


 

【Type-01】自然な3D表現

イマーシブ・オーディオの表現手法のひとつは「自然な3D表現」であり、UNAMASは、7.1.4ch(=11.1ch)にフォーカスを当て制作を展開しているが、Hight 4chのマイキングは固定ではなく、その作品をどのような音にしたいかによって都度変化するとの事。そして、この後、実際に各作品ごとにどのようにHightマイクを配置しているかが詳しく解説された。
UNAMASのイマーシブ・アプローチは、7.1chメインマイク+音楽表現別に最適化した4chのトータル12chで構成され、サンプルレート192kHz のPCMで制作が行われる。奏者がリスナーを取り囲むように円周に配置された「Subjective Surround (主観的サラウンド)」を特徴としており、そのため奇数のアンサンブル編成を基本として録音されている。またミックス作業時にプラグインは使わず、すべて録音段階でバランスを作り上げてゆくのだそうだ。
7.1chのメイン・マイキングは以下の通りである。Neumann KM133Dが5本と、Sanken CO-100Kを2本、そしてBrauner Phantom Classicという構成だ。
7.1.4ch main
 
そして、毎回ポジションが変化する4chのHightマイクの解りやすい例として以下の2種類のパターンが提示された。
初期反射音を捉えるために上向きにマイクを配置した例と、マイクを2階席に設置しホールの響きを豊かに捉える例である。
フローリアン・カメラー氏のアプローチとは異なるが、理論ではなく音楽的感覚を重視する沢口氏らしいアプローチと言える。
4ch hight
 
なお、マイクポジションとは話が異なるが、録音時の機材の接続は以下の通り。ステージ上のマイクをRME Micstasyに集め、MADIケーブル1本で、コントロールームのRME MADI Routerへ伝送。それぞれのI/Oに分配して、Pyramix、SEQUOIAなど複数のレコーダーへと録音をする。極めてシンプルな構成だ。
Recording Setup
 
そして、「ホールの豊かな響を捉えた例」として、《ViVa The Four Seasons》の収録で実際に使われたマイキングが紹介された。メインマイクは「スパイダー・ツリー」と呼ばれる、奏者を上から狙うセッティングで固定。ハイトマイクは、(1)ステージからSony C100を客席に向かって立てる (2)バルコニー席からSanken CUW-180でステージを狙う の2種類を展開した。
 
FourSeasons
 
ViVa The Four Seasons(A.Vivaldi Concerto NO-1_NO-04)
UNAMAS Strings Sextet(2019/6/30)
試聴音源:HPL 9版はこちら
試聴音源:2chステレオ・5.1サラウンド版はこちら
 
会場では、実際の楽曲を11.1chで試聴。疾走感のある猛々しい演奏、そして素晴らしい空気感の再現に、録音時のホールの緊張感までもが会場にも伝播したような感覚だった。
ViVa The Four Seasons
ViVa The Four Seasons


 
次に「天井初期反射音を捉えた例」として、UNAMASクラッシックシリーズ、初期の名盤:The ART of FUGUEのマイキングが紹介された。
 
J.S.Bach / The ART ofFUGUE BWV-1080
UNAMAS FUGUE QUINTET(2015/06/04)
試聴音源:HPL 9版はこちら
試聴音源:2chステレオ・5.1サラウンド版はこちら
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フーガは、単独楽器の音がメインなので、ホールで響く豊かなアンサンブル音を捉えるよりは、初期反射を捉えて音楽を補強するということで、ハイトチャンネル用のマイクは、天井の反射板からの初期反射を狙うべく、ステージ上に上向きにて設置しているのが特徴的だ。
The Art of Fugue
The Art of Fugue


 
次の例として紹介されたのは、シューベルト第14作目にして晩年の名曲と言われる「死と乙女 :Death and the Maiden」の録音。この作品は、ダイナミックで勢いがあるアンサンブルということで、ステージのエッジに客席の方向にむけて設置したハイトマイクにて、アンサンブルの残響が客席方向へ飛んでいく様子が見事に収録されている。
 
Death and the Maiden
Franz Schubert / No-14 in D minor Death and the Maiden
UNAMAS Strings Quintet(2016/4/22)
試聴音源:HPL 9版の購入はこちら
試聴音源:2chステレオ・5.1サラウンド版の購入はこちら
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Death and Maiden
Death and Maiden
 


年代順に紹介されてゆくアルバムたち。つぎの作品は、2017年に録音された、ピョートル・チャイコフスキー最後の室内楽曲。弦楽六重奏曲《フィレンツェの思い出》(Souvenir de Florence)OP-70である。
 
Florence
P.I.Tschaikovsky / op-70 Souvenir de Florence
Unamas Strings Septet(2017/06/23)
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この作品は、編成も大きいため、十分な響きがホールに拡散するはずということで、この作品から初めてステージ上部の合唱バルコニー席にハイト・マイクを設置。メインマイクとハイト・マイクとの距離はおおよそ12mである。
Souvenir de Florence
2F balcony
 


 
そして、最後に紹介されたアルバム「Touch of Contra Bass」では、ヴァイオリン2・チェロ1・コントラバス1という非常に重厚な編成のホール客席側の響きを多く捉えることを目的として、ハイト・マイクは、2F客席中央部へと設置された。
ステージからは約20mもの距離となっている。
 
UNAHQ 2014 Touch of ContraBass
Touch of Contra Bass
UNAMAS Strings Septet(2018/08/25)
試聴音源:HPL 9版の購入はこちら
試聴音源:2chステレオ・5.1サラウンド版の購入はこちら
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Touch of Contra Bass
2F Center
 
以上、氏が5~6年をかけて軽井沢の大賀ホールで収録した「Classic シリーズ」をハイト・マイクの違いという切り口で音源を紹介し、【Type-01】 自然な3D空間再現 というアプローチにおいて、いかにマイキング(マイクポジション)が重要なのかを解説。
 


 
 

【Type-02】創造型3D空間構築

Type-02は、マルチトラックの音源からイマーシブをデザインし構築する手法。「レコーディング」ではなく「クリエイト」の分野からのアプローチだ。既存曲ではなく新規作品のため、制作段階で最終的な空間を見据えた音づくりを行ってゆく。後の”Session 3”で紹介する江夏氏の作品はAmbisonicsを前提に作曲されており、まさにこのアプローチからの作品である。

江夏氏のAmbisonicsアルバム制作レポートを読む

Type-02
 


 

【Type-03】自然音による空間再現

フィールド・レコーディングにおいては、ずばり「忍耐力と幸運」が大切!ということで、最後に、沢口氏が録音した環境音を主体としたUNAMASレーベルの作品「The Sound of TAMA~Surround Scape~」より《The Summer of TAMA》を、2ch / 5ch / 9chで比較試聴して締めくくりとなった。東京・西多摩で収録された激しい雷雨と、笛の音が融合した本作品。あまりにリアルな雷雨のサウンドと、シーンの印象を決定付けるノスタルジックな音楽で、チャンネル数に関係なく素晴らしい臨場感を感じることができ、会場全体が没入感に包まれた。
 
The Sound of TAMA
 
 
The Sound of TAMA~Surround Scape~
Mick Sawaguchi , Yuko Yabe , Misuzu Hasegawa , Yuki Kaneko
試聴音源:HPL 5版はこちら
試聴音源:2chステレオ・5.1サラウンド版はこちら
 
 
 
 
以下は、フィリピン南西部に位置するパラワン島と、長野県の分杭峠での沢口氏の収録風景。カメラー氏同様、各地でのフィールド・レコーディングの経験も豊かだ。
パラワン島
分杭峠
 


使用機材

Fireface UFX+

RME Fireface UFX+

94イン/94アウト 24bit/192kHz対応 ハイエンド USB & Thunderbolt オーディオ・インターフェイス&レコーダー

M-32 DA

RME M-32 DA

32ch ハイエンド MADI / ADAT > アナログコンバーター

Gelelec S360

Genelec S360

SAM™ マスター・スタジオ・モニター

Genelec 8351A

Genelec 8351A

4スピーカー/3ウェイ・ポイントソース・デザインSAM™スタジオ・モニター

Genelec 8331A

Genelec 8331A

ハイヘッドルームの4スピーカー/3ウェイ・ポイントソースSAM™スタジオ・モニター

Genelec 7370A

Genelec 7370A

12インチSAM™ スタジオ・サブウーファー

 

メディア・イノベーション・ワークショップ とは

株式会社エムアイセブンジャパン法人営業部では、グループ会社のジェネレックジャパン、シンタックスジャパンと協力し、国内外のトップエンジニア・アーティストをゲストとして迎え、最先端のオーディオの知識やノウハウを広く共有できるセミナーイベントを開催しております。

2018年に「イマーシブ・オーディオ(没入型サラウンド)」をキーワードにスタートしたメディア・イノベーション・ワークショップですが、2020年からは、より多くの方が参加できるプラットフォームとして、セミナーイベント会場をオンラインにも拡張することになりました。

Dolby Atmosなどの立体的なサウンドを使い、没入感を高めた映像作品、ライブ・コンサートやシアターなどで立体音響を利用した高い臨場感の演出、ライブ会場の音響を離れた会場にて立体的に再現するパブリックビューイング、さらには、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、360度動画などの新しい体感型コンテンツの普及と共に、音楽やサウンドも新しい表現手法が必要とされています。

また、映像、ゲームやアミューズメント、コンサートやイベントなどの現場だけではなく、建築やインテリア、自動車、設備、そして各研究開発機関や教育現場など、製品・サービスとメディアコンテンツとの関わりは、ほとんどの業界において年々密になっています。 そして、これらは、決して一過性のムーブメントではないでしょう。近年盛んになってきている配信ビジネスや2025年の大阪万博に向けて、このイマーシブ・オーディオをつかった作品やコンテンツが多数計画されることは想像に難くありません。そして、それらの現場では、正しい知識とノウハウを持ったプロフェッショナルなエンジニアが必ず必要となります。

Media Innovation Workshopでは、最先端の知識とノウハウを皆様と広く共有し、業界ならびに文化の発展に貢献したいと思っております。