GENELEC presents “Immersive Audio”:Mick沢口

イマーシブ・オーディオのリファレンス音源を収録

GENELEC presents のイマーシブ・オーディオのリファレンス音源を、公開前にInterBEEステージにて特別プレビューした本ステージには、その素晴らしいサウンドにつられてか、毎回黒山の人だかりができていました。セミナー講演者は、録音芸術シーンを「ハイレゾ」「イマーシブ」という切り口で牽引する、世界的に著名なエンジニア Mick Sawaguchi氏。

氏が、2019年7月にフィンランド ヘルシンキ郊外のシベリウス・ホールにて行なったレコーディングで使用した機材の紹介からマイキングの詳細まで、現場からのレポートを交えながら、正式公開前の貴重な音源を、録り下ろしの192kHz/24bitにて再生。再生システムは会場に組まれたGenelecのThe Onesシリーズで組まれた11.1ch(7.1.4)システム。

今もっとも注目されているイマーシブ オーディオの最前線・最先端を切り取った、本作品のプロデューサーとコントラバス(Cb)演奏は、GENELECの創業者である故イルポ・マルティカイネン氏さんの長男ユーホ・マルティカイネン氏が担当。その雄々しくも静粛な演奏と、シベリウスホールの響きを見事に捉えたその録音は多くのセミナー参加者の心を捉えました。

音源のリリースや情報の公開は、近日中にGenelecより行われる予定です。ご期待ください。

 

 

本ドキュメントの著作権は株式会社エムアイセブンジャパンと著作者に帰属します。無断複写・転載を禁じます。ドキュメントの記載事項は制作時点のものであり、将来的に予告なく変更される場合があります。また内容を保証するものではありません。文中の会社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
Copyright (c) 2019 MI7 JAPAN Inc. , author by Mick Sawaguchi

 

JUHO-MICK

登壇者

Mick沢口
沢口音楽工房 UNAMAS- Label 代表
Fellow member AES and ips
1971年千葉工業大学 電子工学科卒、同年 NHK入局。ドラマミキサーとして「芸術祭大賞」「放送文化基金賞」「IBC ノンブルドール賞」「バチカン希望賞」など受賞作を担当。1985年以降はサラウンド制作に取り組み海外からは「サラウンド将軍」と敬愛されている。2007年より高品質音楽制作のためのレーベル「UNAMAS レーベル」を立ち上げ、さらにサラウンド音楽ソフトを広めるべく「UNAMAS-HUG / J」を 2011年にスタートし 24bit/96kHz、24bit/192kHz での高品質音楽配信による制作および CD制作サービスを行う。2013年の第20回日本プロ音楽録音賞で初部門設置となったノンパッケージ部門 2CHで深町純『黎明』(UNAHQ-2003)が優秀賞を受賞。2015年には第22回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『The Art of Fugue(フーガの技法)』が優秀賞を、続く第23回では、ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『Death and the Maiden』が優秀賞を受賞。さらに第24回日本プロ音楽録音賞の前同部門において最優秀賞を受賞、第25回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリュージョン部門「クラシック、ジャズ、フュージョン」において最優秀賞・スタジオ賞を受賞。日本プロ音楽録音賞4年連続受賞の快挙を成し遂げる……ハイレゾ時代のソフト制作が如何にあるべきかを体現し、シーンを牽引しつづけている。

 


 

Mick沢口氏の録音技法を解説

2019年5月に開催された、弊社主催のイマーシブ・オーディオに関するワークショップ「Media Innovation Workshop Vol.2」。にて、登壇者のMick沢口氏の録音技法についてより詳しくご紹介されました。

詳細なマイキングを図説したスライドなどを、以下よりご覧頂けます。

レポートを見る

 


InterBEE 2019

2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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次世代ネットワーク・オーディオ「AVB」ベーシック・セミナー:Max Holtmann

実用的かつ高精度なAVBの構築を解説

本セミナーでは、RMEが採用したネットワーク・オーディオ規格「AVB」の基礎を学ぶ講演が行われました。Danteをはじめとする既存のネットワークオーディオにおける問題点と、AVBがこれらの問題をどうやって解決し実用的で精度の高いネットワークを構築できるかをわかりやすく解説しました。

 

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max

登壇者

Max Holtmann マックス・ホルトマン
RMEシニア・プロダクト・マネージャー


 

AVB Information

(株)シンタックスジャパンのインフォメーション。近年注目されているAVBが技術的な視点でどの様なメリットがあるのかを紐解きます。

AVBの詳細を見る

 


関連製品

Dififace AVB

RME Digiface AVB

256ch 192kHZ USBオーディオ・インターフェイス

M32 Pro Series

RME M-32 Proシリーズ

32チャンネル ハイエンド MADI / AVB コンバーター

 


InterBEE 2019

2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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世界初!ハイレゾ・アンビソニックスのアルバム制作について:江夏 正晃

ハイレゾ・アンビソニックス制作の技法をレクチャー

UNAMASレーベルより発売が決定した7thオーダー・アンビソニックス・アルバム「PIANO Pieces」が初めてパブリックでプレビューされました。セミナーではアンビソニックスの作品をプロデュースした理由を初めアルバム制作に使ったソフトや技法の紹介、そして7.1.4のイマーシブ環境でプレビュー再生がされました。

 

 

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Copyright (c) 2019 MI7 JAPAN Inc. , author by Masaaki Enatsu

 

Enatsu

登壇者

江夏 正晃
株式会社マリモレコーズ 代表
音楽家、DJ、プロデューサー、エンジニア。エレクトロユニットFILTER KYODAIやXILICONのメンバーとして活動する一方、多くのアーティストのプロデュース、エンジニアなども手掛ける。また株式会社マリモレコーズの代表として、映画音楽、CM、TV番組のテーマ曲など、多方面の音楽制作も行う。ヘッドホンやシンセサイザーのプロデュースなども手掛け、関西学院大学の非常勤講師も勤める。著書に「DAWではじめる自宅マスタリング」(リットーミュージック)などがある。

 


 

より詳細なレポートをお読み頂けます

2019年5月に開催された、弊社主催のイマーシブ・オーディオに関するワークショップ「Media Innovation Workshop Vol.2」。名古屋会場にて、同アルバムについてより詳しく紹介されました。

制作の経緯や作品に込める想い、技術的に苦労した点をはじめ、将来のAmbisonicsへの期待などが存分に語られています。

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InterBEE 2019

2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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ライブレコーディングの現場で「今」求められているもの:村上 輝生

MADI/DANTEに関わる現場の「生のTips」を

TOTOのアルバム”FAHRENHEIT”でGold Diskを獲得したエンジニア、村上輝生氏が考える「今」ライブレコーディングの現場で求められているものとは?

ライブレコーディングを取り巻く環境、MADIやDanteの解説に始まり、高品位かつ安定した録音システムをどのように構築し運用しているのかの解説、また、DanteなどIPプロトコルとMADIの連携方法や、アンビエンスマイクの紹介まで、実際の現場から産まれてきた「生のティップス」を、エンジニア視線で紹介された貴重な公演。
ライブレコーディングを行なっているエンジニアだけではなく「録音」全般に関わる全ての関係者必見の内容です。

Mu Murakami

登壇者

村上 輝生 Teruo “Mu-” Murakami
フリーランスエンジニア

1955年1月生まれ。大阪芸術大学出身、1977年大学卒業と同時に財団法人ヤマハ音楽振興会入社。EPICURUSホールのPAエンジニアを担当。翌年先輩エンジニアに引っ張られてスタジオ入り、アシスタントとして修業を積み80年からEPICURUSスタジオのハウスエンジニアとして働く。1985年、スタジオを休職して単身渡米、LAにてTOTO、ドンヘンリー等を手掛け、TOTOのアルバム”FAHRENHEIT “でGoldDiskを獲得。帰国後、1986~1995までエピキュラススタジオのチーフエンジニアを務め、その後ヤマハ音楽研究所にて音、映像、MIDI、通信を融合した遠隔セッションや三次元リバーブの研究などを経て1999年に45才で独立。その後、フリーランスエンジニアとなり現在に至る。J-POP、JAZZ、クラシック、ゲーム音楽等、幅広くこなしながら国内外で精力的な活動を続けている。

 


【村上】

昨今、ライブ市場が非常に活性化しています。ライブレコーディングの規模もシステムも多様化し、コンパクトなシステムが普及。「大規模な映像収録がある際は必ずライブレコーディング」といった流れがあり、今後もこの勢いは続きそうです。

 

【村上】

現場では、常に「コンパクト」で「安定した」システムが求められている。 そして、素早くセットアップを行うことができるというのも非常に重要なファクター。 FOHやFBと一緒に行うべき回線チェックに、自身の機材のセッティングが間に合わないなんてことがないように、コンパクトで設営が早いシステムが望ましと考えています。

 

【村上】

MADIはざっくり言うと、よく見かける2chや8chのAES/EBUと同じデジタル信号を束ねて、たった1本のケーブルで最大64Chの信号のやりとりが可能な非常に優れたデジタル・オーディオの規格です。

 

【村上】

約30年前の規格ながらライブ機器関連では未だにメジャーなフォーマット。

接続にはコアキシャル(75Ωの同軸ケーブル)、または光ケーブルを使用します。

 

【村上】

MADIは、IP系の伝送規格とは違い、アナログと同様の入力とか出力の概念が通用するのでわかりやすい。

基本的にMADI規格に対応した録音機やIFではステージボックスに入った信号が同じ順番で受信出来ると考えれば良いです。

Zepp系、LIQUIDROOM、O-East、O-Westなど大箱を始め、中小のライブハウスでも、DiGiCo、SSL、SoundCraft、Avid等のライブミキシング用デジタルコンソールが使われており、その多くにはMADI端子が搭載されています。

また、一般的に広くつかわれているDante仕様のYAMAHAのデジタル卓でも、スロットにMADIボードを搭載すればMADI接続も可能で実際に搭載されている例も多数ある。

 

【村上】

一言で言えばPAに迷惑をかける可能性がゼロ。これは非常に重要なこと。

MADI対応機器であればクロックさえ間違わなければ繋ぐだけで必ず音が来る。これはとても大きなメリットです。

DanteのようなIP伝送の場合、ルーティングの自由度も高く、利便性も非常に高いのですが、ちゃんとルーティングしなければ何も音は来ません。

IP系のデメリットは自由度が高い分PAも含めたシステム全体の安全性の確保が難しいのと、FOH卓に直接入力したものを録音する場合はFOH卓側での設定が必要でFOHエンジニア側にもDanteの知識が必要な事です。

 

【村上】

Danteの開発元Audinate社のWeb上のトレーニングビデオ(日本語も有り)で最低でもレベル2までの試験に合格出来ないレベルだとヤバイかもしれません。

レベル1の試験は知識テストのみ。 レベル2だと知識テストとオンライン上のバーチャルシステムで実地テストがあります。 合格すると「Certified」の証書が贈られます。

 

【村上】

極端な話、1UのMADI対応の簡易レコーダーにMADIケーブルをつないで録音ボタンを押せば誰にでもライブ レコーディングが可能です。

が、僕の場合は、より良い結果を得るため、オーディエンス マイク用に高品位のマイクプリを使用し、オーディオ インターフェィスとDAWを使って収録します。

RMEのMicstasy(ミクスタシー)は音質もダイナミックレンジも素晴らしいマイクプリですがそれだけではありません。 オプションスロットにMADIカードを搭載でき、それによりMADI Recordingが格段に楽になります。

例えばDiGiCoは56CHのMADI仕様で57~64CHは制御信号等で使用していますが、MicstasyのIDの設定により57~64CHをAudience MicのMADI OUTとして使えます。

あるいは1~8(ID=1)でも9~16(ID=2)でも49~56(ID=7)でも、8CH単位で1~64CHの任意のブロックに割り込みが可能です。

さらに、もうひとつメリットがあります。

DiGiCoのラックからはコアキシャルでMADI信号を受け取りますがMicstasyはコアキシャルとオプティカルの両方から同じMADI信号を出力することが出来ますので、コアキシャルとオプティカルを2台別々のUFX+に分岐して録音する事が可能です。

【村上】

これが、最近の僕の典型的なセットアップとなります。

ステージボックスからもらったMADIをHA(Micstasy)にて受け、ここで、オーディエンス マイクの音を乗せたら、Micstasy上でMADI信号を2系統に分岐。

それぞれ、Firefafce UFX+ に送り、録音を行います。

【村上】

Fireface UFX+は1Uですが94チャンネルもの入出力があり、MADI信号もそのまま受信可能なRMEのフラッグシップ・インターフェイスです。

設定によりコアキシャルでもオプティカルでも、あるいは二重化でも、MADIを受信することができます。

僕のシステムでは2台のUFX+を使用し、片方はコアキシャルで受け、もう一台はオプティカルで受けます。

小さいながら全部の入出力が俯瞰できるメーターは見やすいし、Macとの接続状況を示すインジケータもUSB3やThunderbolt接続で色が変わってわかりやすいし、MADIを受信した時も、視覚的に知らせてくれたりします。

2つあるヘッドフォンアンプも強力なので、半端なくデカい音の中でも余裕でモニターすることができます。

 

【村上】

DAW ソフトにもこだわってます。

2つの異なったDAW、Studio OneとSEQUOIAを使っています。

Studio Oneは、音質良いし軽くて安定した動作、見やすい入力メーター、ドングルを使わないでオーソライゼーションが可能なのが良いです。

SEQUOIAを使っている理由は、いつもお仕事をお願いしているマスタリングエンジニアも絶賛のプレミアムな音質が1番の理由だが、桁違いのバッファサイズがとれるためか、安定した動作が失敗の許されないライブレコーディングの現場では特に嬉しい。(僕の環境では、普通のDAWが2,048サンプルとかに対して、SEQUOIAは32,768サンプルとか設定することが可能。)

どちらのソフトも留意点は2つ。最重要はクロックの設定(もちろんMADI Syncに設定)とI/Oセットアップです。 そこさえ間違えなければ大丈夫。

【村上】

Studio OneもSEQUOIAもオーディオ インターフェイスには、RMEのFireface UFX+を使ってるんで、裏面ではTotal Mix FXが動作している。

最新版のTotalMixは、表示のカスタマイズも楽になったし、iPadでリモートも可能。 Total Mix Remoteはマジにオススメ!!!!

 

【村上】

また、Fireface UFX+には、本体にUSBスティックを挿しておけば、全てのチャンネルをUSBドライブに録音できる「DURec」 という機能があり、DAWソフトでの録音と並行してDURecを使うことで、一台のインターフェイスで2台分の録音ができるためとても便利です。

本体上で、バックアップ状態(書き込み速度やエラー監視)も常時チェック出来るんで、いいことずくめです。

 

【村上】

何故Pro Toolsで録らないかよく聞かれますが、ProToolsはAvidのハードウェア(HD MADI)以外では32CHまでしか録れない仕様なのです。(Pro Tools指定の場合はHD MADI使って録りますケド. . . . 費用が高くなります)

ちなみにStudio One も SEQUOIA もトラック名がついたWAVファイルが生成されるので、そのままPro Toolsに読み込む事が出来ます。 もちろん、ドラック&ドロップでもOKなので、ミックス作業は慣れたPro Toolsでって時でも、収録は大体 Studio One と SEQUOIAでおこなっています。

 

=おすすめアンビエント マイクのご紹介=

【エムアイセブン三橋】

元AKGのエンジニアが立ち上げ、ウィーンにおけるハンドメイドのカプセルを復活させたブランド、Austrian Audioのマイクをご紹介いたします。 https://www.mi7.co.jp/products/austrianaudio/about/

 

【エムアイセブン三橋】

特にハイエンドモデルのOC818は、デュアル ダイアフラムのモデルとなっており、それぞれのダイアフラムの音を個別のトラックに収録しておくことにより、後で、DAW上にてそれぞれのダイアフラムの音をブレンドすることにより、指向性を変更できます。 例えば、ギターアンプに使った場合、裏面のダイアフラムの音量をミックス時に調整しライブ感を出したりと、EQとは異なるアプローチで音質を変更することが可能です。

 

【エムアイセブン三橋】

さらに、別売のBluetoothオプションを使うと、マイクをiOSアプリからコントロールすることもできます。 例えば、高い位置に固定されたマイクの指向性も、この機能を使えばいつでも簡単に変更することができます。

また、ピークメーターもついておりますので、キックドラムなどに使う場合でも、ショーの途中でPADをONにしたりすることができ大変便利です。

 

【村上】

最近は、Danteを使うこともとても増えていますが、実はDanteからMADIに変換、または、MADIからDanteへの変換もコンバーターを使えば普通にできるんです。

僕が今欲しいのはRMEのDigiface Dante

普通にDanteのインターフェィスとしても使えるし、コンピューターを使用しないスタンドアローン・モードで64chのDante > MADIコン バーターとして使えるんで、いつも使ってるMADI Recording Systemの前段にコレを入れるだけでMADIでもDanteでも同じシステムでいけるんです。

 

 

 

=おすすめコンバーターのご紹介=

【エムアイセブン三橋】

ここで、ライブ現場で「必ず」重宝する、マルチコンバーターをご紹介します。

その名もズバリ「マルチバーター」というのですが、Appsys ProAudioというブランドです。

このコンバータ一があれば、Danteもらいでも、MADIもらいでも、どのような現場でも確実にこなすことができます。

【エムアイセブン三橋】

さらに、別売のSRCオプションを使えば、 サンプリングコンバートはもちろんのこと、いわゆる、デジタルの「縁切り」ができるため、FOHに絶対に迷惑をかけない録音が可能となります。

 

*デジタルの「縁切り」に関して詳しくは、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。

 

【村上】

最後に、、、 これが、以前の私のシステムです。

たくさんのHAをADATでまとめて、MADIにして、それを分岐しているのですが、非常に物量が多いです。

 

【村上】

そして、これが、最近のシステムです。 とてもコンパクトになり、現場でのセットアップもクイックに行えますので、それ以外の作業により多くの時間を割くことができるようになりました。

 

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InterBEE 2019

2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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PreSonus StudioLiveシリーズIII S ハンズオン・ワークショップ:Laz Harris

ライブ、レコーディングに優れたミキシング・エクスペリエンスを

優れたミキシング体験を提供する米国PreSonus (プリソーナス)社の”StudioLiveシリーズIII S”をご紹介。
APACセールス・マネージャーのLaz Harris氏よるStudioLiveシリーズIII Sの直感的なワークフローの実演に続き、後半はAVBネットワーキングテクノロジーの最前線にあるStudioLiveシリーズIIIエコシステムについて、コンソール1台からステージ・ボックス、パーソナル・モニター・ミキサーなど、ニーズに応じて追加し拡張可能であることを事例を交えながら解説しています。
ライブ、レコーディングにおけるスケーラブルなソリューションをお探しの方に最適な内容となっています。

 

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Laz-Harris

登壇者

Laz Harris ラズ・ハリス
PreSonus Audio Electronics APACセールス・マネージャー


製品詳細

StudioLive-SeriesIII-Sスモール・サイズでラージ・フォーマットのパワーを提供するデジタル・コンソール/レコーダー “StudioLiveシリーズIII S”。本製品の詳細はこちらからご覧ください。

製品詳細を見る

 


InterBEE 2019

2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
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Softubeライブ&ワークショップ:Kabuki

コンパクトでクリエイティブなミキシング・システムの実践

ドイツ・フランクフルトを拠点に活躍する音楽プロデューサーKabuki氏によるSoftubeクリエーティブ・ワークショップを2日間に渡り実施。ハードウェア&ソフトウェア・ブランドSoftubeのミキシング・システム「Cosole 1」「Console 1 Fader」や、同ブランドのソフトウェア・プラグインを駆使したクリエーティブなミキシング術をkabuki氏が実演、披露しました。DAW環境でありながら、忠実にアナログ・モデリングされたソフトウェアの音質を体感でき、さらに直感的でコンパクトなミキシング・システムを実装できるSoftubeならではの可能性が体現されたレクチャーとなりました。

Kabuki

登壇者

Kabuki
音楽プロデューサー

ドイツ・フランクフルトを拠点に活躍する音楽プロデューサー。モジュラー・アーティストとしてジャングル/ジューク/ダブステップといった様々なジャンルを網羅した音楽作品を精力的にリリースする傍ら、Abbey Road Instituteでシンセサイザーの講師を務める。さらにソフトウェア・メーカーにおいては、サンプル・ライブラリーの制作や、ソフトウェア・シンセサイザーのプリセット・プログラミングにも携わっている。


InterBEE 2019

2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
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Genelec「Aural ID」とはなにか?:岡安 啓幸

Aural IDでのモニタリングがもたらすものは

「Aural ID(オーラル・アイディー)」とは ユーザーのパーソナルな頭部伝達関数(HRTF)情報をSOFA(AES69)というフォーマットでファイル化、ID化するサービスです。このファイルを利⽤することでヘッドフォンによるステレオ及びイマーシブ・コンテンツを正確にレンダリングすることが可能になるため、すでに多くの仮想現実(VR)とゲーム、オーディオのレンダリングエンジンでサポートされはじめています。

本ワークショップでは、Aural IDの概要からSOFAファイルの説明、実際の使用方法まで、DSPの専門家でありプログラマー/音楽家の岡安氏に解説いただきました。

詳細なレポートは、2020年1月以降に掲載予定です。今しばらくお待ちください。

 

岡安啓幸

登壇者

岡安 啓幸
音響作家/楽器デザイナー/プログラマー
国立音楽大学にてコンピュータ音楽、作曲を学ぶ。
自身の創作で培ったデジタル信号処理技術を活かして、これまでにインスタレーション作品のサウンドプログラミングやミュージシャンへの特注楽器製作、ライブ演出システム製作などを手がける。
2016年にPROGRESSIVE FOrMよりアルバム Shin Sasakubo & Akiyuki Okayasu「invisible flickers」をリリース。
https://scrapbox.io/akiyukiokayasu/


Aural ID

Aural IDヘッドフォン・モニタリングを再定義するソフトウェア・テクノロジー「Aural ID」。発表当時の文書をご覧頂けます。

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InterBEE 2019

2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
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MI7創立15周年ディスク「BLOOM OF SOUND」試聴会:三橋 武

Immersive Audio Reference Disk

エムアイセブンジャパン 三橋による、イマーシブ音源再生デモンストレーション。BluRay Diskに収められたイマーシブ音源を、BDプレイヤー、AVアンプ、Genelecの同軸スピーカーで組んだイマーシブ再生環境でたっぷりとお聞き頂きました。Blu-ray Diskに収められた音源は、全て、Stereo / DTS-HD Master(5.1) / Dolby Atmos (11.1) / Auro-sD(11.1)にオンザフライで切り替え可能。異なるフォーマットの音質差をお聞き比べ頂きました。

 

本ドキュメントの著作権は株式会社エムアイセブンジャパンと著作者に帰属します。無断複写・転載を禁じます。ドキュメントの記載事項は制作時点のものであり、将来的に予告なく変更される場合があります。また内容を保証するものではありません。文中の会社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
Copyright (c) 2019 MI7 JAPAN Inc. , author by Takeshi Mitsuhashi

 

Mitsuhashi

登壇者

三橋 武
株式会社エムアイセブンジャパン B2Bセールス・ディレクター


 

本ディスク「BLOOM OF SOUND」詳細

BLOOM OF SOUNDご試聴会でお聴き頂いた本ディスクについて、制作の経緯をはじめ、収録楽曲や再生フォーマット、また録音技術について詳細をご紹介しています。

ディスク詳細を見る

 


InterBEE 2019

2019年11月13日~15日に幕張メッセで開催された、「InterBEE 2019(国際放送機器展)」に出展いたしました。
その他のワークショップ・レポートは以下よりご覧頂けます。

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イマーシブ録音の最先ノウハウと実践:Mick 沢口氏

日本が世界に誇るハイレゾ・イマーシブ・レーベル「UNAMAS」代表の Mick沢口氏による、貴重なイマーシブ解説。氏が5年をかけて軽井沢で行なってきた「クラシックシリーズ」でのイマーシブ録音、そのハイトマイクの配置方法を実際の作品を聞きながら徹底解説した貴重な講演。マイキングだけではなく、録音機材や録音技法まで、実践的なレクチャーが行われた


MI7グループ主催のセミナーイベント「Media Innovation Workshop vol.2」

「最先端の音響で、全てのビジネスを一歩先へ。」

第2回目となる2019年5月、イマーシブ・オーディオ(立体音響・没入型サラウンド)に関するワークショップが国内3箇所で開催された。

 

現在、音楽だけなく様々な業界でニーズが高まっている「イマーシブ・オーディオ」。今回は、イマーシブの現場の最前線で世界的に活躍される3名が登壇された。

ORFオーストリア放送協会のフローリアン・カメラー氏、”サラウンド将軍” Mick沢口氏、そして、日本初のAmbisonicsアルバム制作者 江夏正晃氏。各講師より、イマーシブに関連する基礎知識や録音/再生技術、また制作した作品の紹介や、より実践的なノウハウについてお話し頂いた。

 

ワークショップ詳細

 


講師

Mick沢口氏

Mick沢口

沢口音楽工房 UNAMAS- Label 代表

Fellow member AES and ips

 

1971年千葉工業大学 電子工学科卒、同年 NHK入局。ドラマミキサーとして「芸術祭大賞」「放送文化基金賞」「IBC ノンブルドール賞」「バチカン希望賞」など受賞作を担当。1985年以降はサラウンド制作に取り組み海外からは「サラウンド将軍」と敬愛されている。2007年より高品質音楽制作のためのレーベル「UNAMAS レーベル」を立ち上げ、さらにサラウンド音楽ソフトを広めるべく「UNAMAS-HUG / J」を 2011年にスタートし 24bit/96kHz、24bit/192kHz での高品質音楽配信による制作および CD制作サービスを行う。2013年の第20回日本プロ音楽録音賞で初部門設置となったノンパッケージ部門 2CHで深町純『黎明』(UNAHQ-2003)が優秀賞を受賞。2015年には第22回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『The Art of Fugue(フーガの技法)』が優秀賞を、続く第23回では、ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『Death and the Maiden』が優秀賞を受賞。さらに第24回日本プロ音楽録音賞の前同部門において最優秀賞を受賞、第25回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリュージョン部門「クラシック、ジャズ、フュージョン」において最優秀賞・スタジオ賞を受賞。日本プロ音楽録音賞4年連続受賞の快挙を成し遂げる……ハイレゾ時代のソフト制作が如何にあるべきかを体現し、シーンを牽引しつづけている。

https://unamas-label-jp.net/

 


 

最初に

実際のレクチャーの中では、全ての音源がイマーシブセットアップされたGenelec スピーカーを通じてハイレゾ再生されていましたが、このレポート記事の中では全ての人がレクチャーの追体験をできるように、音源の販売サイト(試聴オプションあり)のリンクを記載しました。(ヘッドフォンでの試聴を行う方はHPLの方をお選びください)

【試聴音源 記載例】

Death and the Maiden

Franz Schubert / No-14 in D minor Death and the Maiden
UNAMAS Strings Quintet(2016/4/22)

試聴音源:HPL 9版の購入はこちら
試聴音源:2chステレオ・5.1サラウンド版の購入はこちら
録音会場の詳細レポートはこちら

 

 

 


ワークショップ概要

最初のセクションでは、没入感サラウンド(イマーシブサラウンド)では、どのような空間表現が可能なのか、3つの異なるアプローチに対して、それぞれの成功の鍵がTIPSとして紹介された。

 

【Type-01】  自然な3D空間再現

  • 具体的な作品例:クラシック音楽の録音、ライブコンサート、スポーツ放送
  • 成功の鍵:マイキング(効果的なマイキングが必要)

【Type-02】創造型3D空間構築

  • 具体的な作品例:コンピューター音楽、メディア・アート、イベント音響
  • 成功の鍵:サウンド・デザイン(事前に設計図を描くことが必要)

【Type-03】自然音空間再現

  • 具体的な作品例:サウンドスケープ、フィールドレコーディング
  • 成功の鍵:忍耐と幸運(良い音が取れるまで粘ることが必要!)

 

続いて次のセクションでは、それぞれのイマーシブ・オーディオの「タイプ」に対しての詳細な説明があった。

 

 


 

【Type-01】自然な3D表現

イマーシブ・オーディオの表現手法のひとつは「自然な3D表現」であり、UNAMASは、7.1.4ch(=11.1ch)にフォーカスを当て制作を展開しているが、Hight 4chのマイキングは固定ではなく、その作品をどのような音にしたいかによって都度変化するとの事。そして、この後、実際に各作品ごとにどのようにHightマイクを配置しているかが詳しく解説された。

UNAMASのイマーシブ・アプローチは、7.1chメインマイク+音楽表現別に最適化した4chのトータル12chで構成され、サンプルレート192kHz のPCMで制作が行われる。奏者がリスナーを取り囲むように円周に配置された「Subjective Surround (主観的サラウンド)」を特徴としており、そのため奇数のアンサンブル編成を基本として録音されている。またミックス作業時にプラグインは使わず、すべて録音段階でバランスを作り上げてゆくのだそうだ。

7.1chのメイン・マイキングは以下の通りである。Neumann KM133Dが5本と、Sanken CO-100Kを2本、そしてBrauner Phantom Classicという構成だ。

7.1.4ch main

 

そして、毎回ポジションが変化する4chのHightマイクの解りやすい例として以下の2種類のパターンが提示された。

初期反射音を捉えるために上向きにマイクを配置した例と、マイクを2階席に設置しホールの響きを豊かに捉える例である。

フローリアン・カメラー氏のアプローチとは異なるが、理論ではなく音楽的感覚を重視する沢口氏らしいアプローチと言える。

4ch hight

 

なお、マイクポジションとは話が異なるが、録音時の機材の接続は以下の通り。ステージ上のマイクをRME Micstasyに集め、MADIケーブル1本で、コントロールームのRME MADI Routerへ伝送。それぞれのI/Oに分配して、Pyramix、SEQUOIAなど複数のレコーダーへと録音をする。極めてシンプルな構成だ。

Recording Setup

 

そして、「ホールの豊かな響を捉えた例」として、《ViVa The Four Seasons》の収録で実際に使われたマイキングが紹介された。メインマイクは「スパイダー・ツリー」と呼ばれる、奏者を上から狙うセッティングで固定。ハイトマイクは、(1)ステージからSony C100を客席に向かって立てる (2)バルコニー席からSanken CUW-180でステージを狙う の2種類を展開した。

 

FourSeasons

 

ViVa The Four Seasons(A.Vivaldi Concerto NO-1_NO-04)
UNAMAS Strings Sextet(2019/6/30)

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会場では、実際の楽曲を11.1chで試聴。疾走感のある猛々しい演奏、そして素晴らしい空気感の再現に、録音時のホールの緊張感までもが会場にも伝播したような感覚だった。

ViVa The Four Seasons

ViVa The Four Seasons


 

次に「天井初期反射音を捉えた例」として、UNAMASクラッシックシリーズ、初期の名盤:The ART of FUGUEのマイキングが紹介された。

 

J.S.Bach / The ART ofFUGUE BWV-1080

UNAMAS FUGUE QUINTET(2015/06/04)

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フーガは、単独楽器の音がメインなので、ホールで響く豊かなアンサンブル音を捉えるよりは、初期反射を捉えて音楽を補強するということで、ハイトチャンネル用のマイクは、天井の反射板からの初期反射を狙うべく、ステージ上に上向きにて設置しているのが特徴的だ。

The Art of Fugue

The Art of Fugue


 

次の例として紹介されたのは、シューベルト第14作目にして晩年の名曲と言われる「死と乙女 :Death and the Maiden」の録音。この作品は、ダイナミックで勢いがあるアンサンブルということで、ステージのエッジに客席の方向にむけて設置したハイトマイクにて、アンサンブルの残響が客席方向へ飛んでいく様子が見事に収録されている。

 

Death and the Maiden

Franz Schubert / No-14 in D minor Death and the Maiden
UNAMAS Strings Quintet(2016/4/22)

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Death and Maiden

Death and Maiden

 


年代順に紹介されてゆくアルバムたち。つぎの作品は、2017年に録音された、ピョートル・チャイコフスキー最後の室内楽曲。弦楽六重奏曲《フィレンツェの思い出》(Souvenir de Florence)OP-70である。

 

Florence

P.I.Tschaikovsky / op-70 Souvenir de Florence
Unamas Strings Septet(2017/06/23)

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この作品は、編成も大きいため、十分な響きがホールに拡散するはずということで、この作品から初めてステージ上部の合唱バルコニー席にハイト・マイクを設置。メインマイクとハイト・マイクとの距離はおおよそ12mである。

Souvenir de Florence

2F balcony

 


 

そして、最後に紹介されたアルバム「Touch of Contra Bass」では、ヴァイオリン2・チェロ1・コントラバス1という非常に重厚な編成のホール客席側の響きを多く捉えることを目的として、ハイト・マイクは、2F客席中央部へと設置された。

ステージからは約20mもの距離となっている。

 

UNAHQ 2014 Touch of ContraBass

Touch of Contra Bass
UNAMAS Strings Septet(2018/08/25)

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Touch of Contra Bass

2F Center

 

以上、氏が5~6年をかけて軽井沢の大賀ホールで収録した「Classic シリーズ」をハイト・マイクの違いという切り口で音源を紹介し、【Type-01】 自然な3D空間再現 というアプローチにおいて、いかにマイキング(マイクポジション)が重要の説明となった。

 


 

 

【Type-02】創造型3D空間構築

Type-02は、マルチトラックの音源からイマーシブをデザインし構築する手法。「レコーディング」ではなく「クリエイト」の分野からのアプローチだ。既存曲ではなく新規作品のため、制作段階で最終的な空間を見据えた音づくりを行ってゆく。後の”Session 3”で紹介する江夏氏の作品はAmbisonicsを前提に作曲されており、まさにこのアプローチからの作品である。

江夏氏のAmbisonicsアルバム制作レポートを読む

Type-02

 


 

【Type-03】自然音による空間再現

フィールド・レコーディングにおいては、ずばり「忍耐力と幸運」が大切!ということで、最後に、沢口氏が録音した環境音を主体としたUNAMASレーベルの作品「The Sound of TAMA~Surround Scape~」より《The Summer of TAMA》を、2ch / 5ch / 9chで比較試聴して締めくくりとなった。東京・西多摩で収録された激しい雷雨と、笛の音が融合した本作品。あまりにリアルな雷雨のサウンドと、シーンの印象を決定付けるノスタルジックな音楽で、チャンネル数に関係なく素晴らしい臨場感を感じることができ、会場全体が没入感に包まれた。

 

The Sound of TAMA

 

 

The Sound of TAMA~Surround Scape~
Mick Sawaguchi , Yuko Yabe , Misuzu Hasegawa , Yuki Kaneko

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以下は、フィリピン南西部に位置するパラワン島と、長野県の分杭峠での沢口氏の収録風景。カメラー氏同様、各地でのフィールド・レコーディングの経験も豊かだ。

パラワン島

分杭峠

 


使用機材

Fireface UFX+

RME Fireface UFX+

94イン/94アウト 24bit/192kHz対応 ハイエンド USB & Thunderbolt オーディオ・インターフェイス&レコーダー

M-32 DA

RME M-32 DA

32ch ハイエンド MADI / ADAT > アナログコンバーター

Gelelec S360

Genelec S360

SAM™ マスター・スタジオ・モニター

Genelec 8351A

Genelec 8351A

4スピーカー/3ウェイ・ポイントソース・デザインSAM™スタジオ・モニター

Genelec 8331A

Genelec 8331A

ハイヘッドルームの4スピーカー/3ウェイ・ポイントソースSAM™スタジオ・モニター

Genelec 7370A

Genelec 7370A

12インチSAM™ スタジオ・サブウーファー

 

ハイレゾ・アンビソニックス作品の制作秘話:江夏 正晃氏

世界初の高次Ambisonicsアルバムをリリース予定の江夏正晃氏による講演。IEM Plug-in Suiteを使ったアルバムの制作やミックスについての解説やノウハウの伝授だけに留まらず、Ambisonicsの現状や、将来の可能性についてまで網羅した非常に貴重な講演。一般的な2chステレオとイマーシブの制作では、必要なテクニックや課題となるポイントは、似た部分もあれば全く異なる部分もある。音質、音圧、ダイナミクスなど、最良のイマーシブ作品にするためには何が重要なのか。クリエイターならではの着眼点で、より具体的な目線からイマーシブ・オーディオを解いてゆく。

 


MI7グループ主催のセミナーイベント「Media Innovation Workshop vol.2」

「最先端の音響で、全てのビジネスを一歩先へ。」

第2回目となる2019年5月、イマーシブ・オーディオ(立体音響・没入型サラウンド)に関するワークショップが国内3箇所で開催された。

 

現在、音楽だけなく様々な業界でニーズが高まっている「イマーシブ・オーディオ」。今回は、イマーシブの現場の最前線で世界的に活躍される3名が登壇された。

ORFオーストリア放送協会のフローリアン・カメラー氏、”サラウンド将軍” Mick沢口氏、そして、日本初のAmbisonicsアルバム制作者 江夏正晃氏。各講師より、イマーシブに関連する基礎知識や録音/再生技術、また制作した作品の紹介や、より実践的なノウハウについてお話し頂いた。

 

ワークショップ詳細

 


講師

江夏正晃氏江夏 正晃

株式会社マリモレコーズ 代表

marimoRECORDS Official site

 

音楽家、DJ、プロデューサー、エンジニア。エレクトロユニットFILTER KYODAIやXILICONのメンバーとして活動する一方、多くのアーティストのプロデュース、エンジニアなども手掛ける。また株式会社マリモレコーズの代表として、映画音楽、CM、TV番組のテーマ曲など、多方面の音楽制作も行う。ヘッドホンやシンセサイザーのプロデュースなども手掛け、関西学院大学の非常勤講師も勤める。著書に「DAWではじめる自宅マスタリング」(リットーミュージック)などがある。

 


 

はじめに

「今から1年前の時点では、皆さんよりもイマーシブについて詳しくなかったと思う」という言葉からセッションをスタートさせた江夏氏。昨年のInterBEE 2018の際にIEM Plug-inの開発者・ダニエル氏と出会い話をしたものの、知識が追いつかず内容が理解できなかったのだそうだ。その後、Mick沢口氏に「君の作品でイマーシブをやってみないか」と声を掛けられたことがきっかけで、今回の登壇に至ったのだと語る。

MIW2 - 江夏氏

 

サラウンド・多チャンネルについては、既に映画など多くの作品の制作を経験している江夏氏。ステレオ作品に比べて可能性は大きいものの、限界を感じていた。音のスピード感や音の中抜け、定位感が上手く行かないなど数々の苦労があるサラウンド作品。今回の挑戦では、それらに対するアプローチとして、「PIANO Pieces」というアルバム名の通りピアノ曲による展開を行った。たった1〜2分の1曲につき約2GBもの容量を誇る、7次Ambisonicsの作品。22曲入りのアルバム1つで、なんと30GBにも及ぶ。

「どうせやるなら、エポックメーキングなものを。」そう考えた江夏氏は、Synthax Japan 伊藤氏と共に試行錯誤を繰り返し、このアルバムの制作に取り掛かった。軽い気持ちで始めたものの、そこには様々な困難とチャレンジがあった。

 

そうしてやっとの思いで出来上がった作品が、本ワークショップの名古屋会場で初公開されたのだ。

 

イマーシブ・オーディオとは

音には次の種類がある。点音源の「モノラル」、2つのイメージを持つ「ステレオ」、二次元に広げた「サラウンド」。それに高さ(Hight)が加わったものが「イマーシブ・オーディオ」と総称されるようになった。実際は、DTS-X、Auro-3D、Dolby Atmosなど、様々なフォーマットが展開されている。

 

江夏氏は3年前にDolby Atmosの作品を手掛けるオファーを受けている。しかし、Dolby Atmosはフォーマットが決まっており、再生環境が整っている場所でないと作品を視聴することが叶わない。Dolby Atmosの再生システムは、一般家庭には少々高額で、手が届きにくいこともあり、多くの方に作品を楽しんでもらうことは現実的に難しい。当時は、まだイマーシブ作品への挑戦には、非常に高いハードルが存在していた。

もしかすると、Ambisonicsは、そのハードルをクリアーする要素の多いイマーシブフォーマットかもしれない、と考えた江夏氏。だが、64chに及ぶ7th order Ambisonics(7次アンビソニックス)にどれだけ意味があるのかはまだわからない。しかしそれを提供することで、多くの人にイマーシブ・オーディオを楽しんでもらうチャンスが訪れるのではないかと考え、「やるなら最大限のクオリティで提供したい」ーーーそう考え、このプロジェクトはスタートした。

Ambisonicsの可能性は未知数な部分が多いが、現時点ではっきりしているAmbisonicsの利点は下記の通りだ。

 

Ambisonicsの利点

Ambisonicsは「シーン・ベース」というフォーマットである。Ambisonicsで提供されるファイルは、どのような視聴環境(スピーカー・レイアウト)にも左右されず再生することが可能だ。極端に言うと、どれだけいびつなスピーカー・レイアウトでも構わない。デコーダーさえあれば、私たちは誰でもAmbisonicsを体験することができる。ホームオーディオ、カーオーディオ、シネマ、ライブなど、その利点を活かせる場所は無限だ。

マルチチャンネルのスピーカーを設置することが難しい家庭でも、シーリングライト一体型のスピーカーなどを活用し、簡単にAmbisonics環境を構築することが可能である。スピーカーの配置にも縛られる必要がないため、例えば、自動車内の音響として柔軟に利用することが可能だ。また、自動運転機能が実装された車内では、運転から解放された運転者は、移動次に様々なコンテンツを楽しむことができるようになる。その中でも最も期待されているのが、このイマーシブ・オーディオだ。またAmbisonisは、バイノーラル・デコードを行うことでヘッドフォンでも作品を楽しむことができるため、まさにスピーカーの配置に縛られない、とても柔軟で商業利用しやすいフォーマットと言えるだろう。

 

試聴

ここで某TV番組のテーマ曲で起用された、ピアノ・和太鼓・篠笛のアンサンブル音楽《Beauty of Japan》を試聴した。後ろから鳴る鈴、ピアノの響き、そして美しい音色の和楽器が紡ぐサウンド。広がりのある繊細で豊かな空間から、非常に幻想的なイメージが展開された。

チャンネルベースのイマーシブ再生とは趣の異なる不思議な没入感に、参加者から感嘆の声が起こった。

《Beauty of Japan》、最初は2chステレオで再生された。DAW上でのトラックの並べ方は、通常の2ch作品のそれと変わらない。しかしながら作品をイマーシブに展開した途端、今まで聞こえなかったサウンドが見えるようになったのだと、今回のAmbisonicsミックスをサポートした伊藤氏は語る。鈴の流れる音やピアノのペダルを踏む音など、他の高域の周波数にかき消されてしまっていたディティールが繊細に見えてくる。それらが良いリズムを作り出したり、音の粒子感を細かくしたり……といった効果を生むのである。

音圧を稼ぐ必要は全く無い。それよりも、ダイナミクス・レンジを楽しんでほしいのだと彼らは語った。

Beauty of Japan

 


 

Ambisonicsの次数について

1st order = 4ch、2nd = 9ch、3rd = 16ch……そして、7th = 64ch。この数字は何を表しているのか。

 

例えば「ステレオ」は、1つのファイルに L / R の2つのオーディオファイルを含んでいる。対して7th order Ambisonicsは、1ファイルに64chのオーディオファイル(インターリーブWAVファイル)が入っているのである。これはとても驚異的なことだ。

ファイル容量も大きく、それに見合う効果があるかも分からない。江夏氏も、最初は5th orderでも良いのではないかと思ったそうだ。しかしAmbisonicsは、7次で楽曲を作っておけば、5次でも3次でも1次でも、その時の再生環境に合わせて次数をダウングレードさせて再生することが可能。そのため、作品自体は高次のアンビソニックスで制作することになった。

 

H.O.A.(High Order Ambisonics)の利点

一般的には、1次Ambisonicsより高次のものを「ハイ・オーダー・アンビソニックス」と呼ぶ。音質が上がるのではなく、球面上のどこから音が出ているのか、という音の「定位」の解像度があがるため、次数が高まるほどよりリアルな音場の再現が可能になる。SDがHDに、HDが4Kになるように解像度が上がるため、より音像を的確に表現できるようになるのである。今回、最上位の7次Ambisonicsを採用することで、定位感、移動感、空間感……全てにおいて今までのサラウンドでは表現できなかった次元へと到達することができたと感じている。

 

音像の移動

headtrackerここで、IEM Plug-in Suiteの開発者でもあるダニエル氏が開発したパンナー(ヘッドトラッカー)が登場。中に加速度センサーを始めとする各種センサーが入っており、こちらもソースコードが公開されている

USB接続のMIDIコントローラのため、江夏氏はこれをパンナーとして活用。手に持って踊るように音のパンニングを行った。

 

 

ここで、「ピアノソロの上をモジュラーシンセが走る」という、音像の移動感が特徴的な楽曲《Contradiction》を試聴。「音、飛んでました?」という江夏氏の問いかけに、多くの参加者が大きく頷いた。また、同じ曲をステレオとイマーシブで切り替えながらの比較試聴も行い、その広がりの違いも体感した。

Ambisonicsは、その他のサラウンドに比べて音像の動きがはっきりとスムーズであることもひとつの特徴。自分がパンナーを手にして動けば動くほど音が追従して来たそうだ。まさにAmbisonicsの可能性を感じた瞬間だったと語る。

Contradiction

 

パンニングも大切だが、とにかく全てのサウンドが立体感を持って聴こえてくる。ヘッドホンや車でこれを体感できるのは、期待度が非常に高い。

 


 

実際の制作について

では、実際にAmbisonics作品を制作するのはどれだけの労力が必要か。

現在はまだ大変なことも多い。ただ将来的には、現在我々がDAWを活用するように簡単になるのではないかとも考えている。

その中でキーとなるのが、先ほども登場した「IEM Plug-in Suite」の活用だ。このVSTプラグインはオープンソースとして公開されているので、誰でもすぐにダウンロードして使用することができる。そして、現時点で7次Ambisonicsに対応するDAWは「REAPER」のみである。価格は6,000円ほどで提供されており、これは、インターネットで購入することができる。

すなわち、だれでも、今日からでもAmbisonicsを始めることができるのである。

 

ミックスについて

Ambisonicsのミックス作業は困難を極めた。DAWの限界への挑戦だった。物理パンナーが4軸で動くため、フリーズしたり意図しない動きが描画されたりと、オートメーションの記録に大変苦労したそうだ。ただ、これは技術的な問題のため将来的に解決されるのではないかと推測される。

今回江夏氏がこだわったポイントは、ハイレゾでり、7次という高次アンビソニックスだ。「聴こえてこなかった音が聴こえてくる」といった情報は、ハイレゾであればあるほど鮮明になる。人間の耳は20kHz以上聴こえないとされるため、96kHzや192kHzに果たして意味はあるのだろうかと問われることも多い。しかし再生環境を整えれば、どんな人でもサンプルレートの聴き分けは可能だ。江夏氏のスタジオで、それを聴き分けられなかった人は過去にいないという。

つまり、ハイレゾ+7次Ambisonicsにこだわることによって、より作品への没入感を高められるのではないかと考える。

 

Surround Panner

Reaper画面下部に表示されたミキサーの緑色のバーは、64ch分のレベルメーターを示す。これらをミックス・マスタリングし、Ambisonics Busへ送る。そのレベルメーターの多さで、これが高次のAmbisonicsであることが伺い見れる。画面上部はオートメーション・トラック。4軸分、個別に記録されていることが分かるだろう。

制作は何もかもが初めての状態だったが、特に「ピーク管理」が大変だったそうだ。まず、どのチャンネルでクリッピングしているかを探し当てるのが一苦労。せっかく探し当てても、次の箇所のクリッピングは違うチャンネルだ。64個もの音があるため、原因特定が困難である。

江夏氏はこの作品において、とにかくダイナミクスレンジを大切にしている。無闇にレベルを下げたり上げたりといった処理は行わない。故にリミッターやマキシマイザーも使用しない。お互いのバランスを維持したまま、適切に聴こえるように音像を定位させる作業が必然となった。

 


 

試聴

そして他の作品の試聴を行った。

 

《Trilogy》《SAKURA》:2台ピアノ

作品がAmbisonicsのため、ピアノをどこにでも配置することができる。当初はプラグイン「Room Encoder」を使って「室内で綺麗に鳴っている」という状況を再現しようとしたが、あまり良い効果が得られなかった。

VR作品のように音像が移動するものでもない。あくまで音楽作品としての広がり、奥行きーーー音が醸し出すエンタテイメントを作るため、次の方法を採用した。

「Stereo Encoder」を使用し、ステレオファイルを左側 仰角35°/70°の場所に配置。2台目のピアノは、その反対(右)側に配置した。少し上の方向に、ステレオファイルを2個並べたような状態を作り出した。実際にはあり得ないシチュエーションだが、この方法を取ることで、球体の空間を美しく包み込むことに成功した。

Trilogy SAKURA

作品にもよるが、例えば「ミュージシャンが室内で演奏しているシーンを再現したい」ということであれば、部屋の初期反射をエミュレートする「Room Encoder」を使用するのが適切だろう。しかし今回の2曲については、音の響きやディティールを重視する音楽を目指したため、上記のStereo Encoderを用いた方法がベストだったのではないかと語る。

 

《Lovestruck》:ピアノ+ストリングス

全体を包み込むストリングスとピアノのコントラストが、なんとも美しい楽曲だ。

 

《GENSO》:ピアノ+生バイオリン(アンサンブル)

バイオリンが右上から降ってくるような配置がなされている。「降ってきている感覚はわかりましたか?」という問いに、またも皆が頷いた。

これも、従来のイマーシブ・サラウンド作品では表現しきれなかった領域に達しているそうだ。シーン・ベースにて表現をした途端、突然降り注ぐ感覚が強調されたことに感動したのだという。

 

《L’eau et sol》:ピアノ+モジュラーシンセ+打ち込み

きらきらと澄み渡る、洗練されたサウンドの楽曲だ。

以下の写真、画面左上に表示した「Energy Visualizer」は、球体のどこに音が配置されているか(エネルギーが集まっているか)を視覚化できるプラグインである。ミックスダウンをする際、このプラグインを見ながら配置してゆく。従来には無い感覚だが、使い慣れてくると「移動中にEnergy Visualizerを見ながらヘッドホンでミックスする」といったことも出来るのだという。

L'eau et sol

 


 

現時点での問題点

Ambisonics作品の制作における問題点は、現時点では多数ある。ひとつは、7次Ambisonicsの制作が行えるツールがほとんど存在していないこと。そして、その使い方もAmbisonics独特なものが多く、例えば「場所をコンプレッションをする」といった今までに無い新しい概念も加わってくる。つまり「何をどうしたいか」というオプションは、膨大な数が存在するのである。

 

今回の作品において最も苦労した点は、先述の通り「ピーク管理」である。今後、64ch分のAmbisonics Busに果たして思い通りリミッターが掛かってくれるのか。またパンナーについても、自分の意図した動きを記録してくれる製品が開発されるかどうか。リバーブも現状では「空間」の手法が主だが、どのようなリバーブの手法が生まれるのか。ステレオイメージをどうイマーシブに広げるかーーー

あくまで「シーン・ベース」であるため、アプローチはどのような方法でも構わない。ただ音楽作品においては、ディレイ、モジュレーション、そのほか様々なプラグインが必要不可欠だ。Ambisonicsはまだまだ発展途上の分野。IEM Plugin Suiteには、Ambisonicsでの制作に必要な基本プラグインが全て揃っているとはいえ、実際は、私がやりたいことを実現するツールが、まだ足りていないのが現実だ。ステレオ、サラウンドとは全く違った、新たな概念のプラグインの登場が期待される。

Ambisonicsの問題点

 

今後のAmbisonics

江夏氏が制作時に語った印象的な言葉がある、と伊藤氏は発した。

「Pro Toolsを初めて使った時、僕は今と同じ気持ちを味わった。新しいフォーマットが生まれ、制作論がまだ何も無い時代。これからまた、始まりだ。」

 

テクノロジーの進化と共に、音楽の視聴環境は変化するだろう。今求められているのは、制作および視聴環境の整備である。

制作においては、対応のDAWとプラグインは多くないのが現状だ。まだまだ入り口は狭い。同様に、高次Ambisonics作品を聴くためのプレイヤーも現時点では世に存在していないが、近い将来、その問題も解決され、様々なプラットフォームで再生することができるようになるだろう。そして、Ambisonics対応のアンプが登場することにより、さらに視聴の機会は増えるのではないかと考える。

 

Ambisonicsの利点は、視聴環境を問わないこと。イヤホンでも、5.1chでも、車内でも、レイアウトさえ正しくデコードすれば、極めて高品位な再生を行うことが可能である。この点にておいて他の立体音響に比べ、整備しやすい環境にあることは現実だ。

1970年代には既に理論が確立されていたAmbisonics。当時普及しなかった理由は、CPUパワー不足などハードウェアの部分が原因だろうと推測される。しかし、あれから40-50年の時を経て、今日ようやく当時確立された理論が実現できるようになったのである。

VRなどの様々な音楽コンテンツが発生する中で、従来のステレオというフォーマットは、いかにして作品をユーザーに届ければ良いかという葛藤と議論が繰り広げられている。音圧戦争にも限界が訪れつつあるのが現状だ。

江夏氏は、そのためには出来るだけ多出力のマルチチャンネル・スピーカーが必要になるだろうと考え、イマーシブ・オーディオに興味を持つようになっていた。そんな時、ついに7次Ambisonicsという緻密なシーン・ベースの音楽が提供できる時代が到来した。いよいよ新しい立体音響の幕開けがこのAmbisonicsからスタートするのではないか。そんな希望すら感じたのだという。

 

まだまだ問題点も多く、再生環境も整っていない。数年後「今の話は全て嘘だった」となる可能性もゼロではない。しかし、Ambisonicsが世の中を席巻している未来もまた、可能性はゼロではないだろう。

 

まとめ

既にYouTubeやFacebookなどの360°コンテンツでは、1次のAmbisonicsファイルをインポートできるようになっている。フォーマットとして最も柔軟性を持つYouTubeがいち早く4Kに対応し、8Kに対応し、そしてAmbisonicsにも対応した。動きはもう、ここまで来ているのだ。

「本講演で、少しでもAmbisonicsの可能性を感じ、体験し、そして制作をするようなベクトルに向いてほしい」という言葉で、江夏氏のセッションは終了した。

MIW2 - 江夏氏

 


使用機材

Fireface UFX+

RME Fireface UFX+

94イン/94アウト 24bit/192kHz対応 ハイエンド USB & Thunderbolt オーディオ・インターフェイス&レコーダー

M-32 DA

RME M-32 DA

32ch ハイエンド MADI / ADAT > アナログコンバーター

Gelelec S360

Genelec S360

SAM™ マスター・スタジオ・モニター

Genelec 8351A

Genelec 8351A

4スピーカー/3ウェイ・ポイントソース・デザインSAM™スタジオ・モニター

Genelec 8331A

Genelec 8331A

ハイヘッドルームの4スピーカー/3ウェイ・ポイントソースSAM™スタジオ・モニター

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